弟の散骨
弟の遺言は戒名は要らないし、猫の遺骨と共に、海に散骨して欲しいということだった。
それは、独身だった弟が、墓参りとか法事とかで、私に迷惑をかけたくないということだった。
生前、弟は海にあまり行ったことない。
だから、本当にいいの?と何度も弟に訊いた。
父は、弟の死をなかなか受け入れられなかった。
そして、
父は散骨に躊躇していた。
息子が跡形もなくなってしまうのはイヤだったと思う。
だから3年も経って
ようやく散骨してくれる業者を探した。
場所は東京湾。
羽田空港第2ターミナルの真ん前。
弟の愛猫2匹の遺骨と一緒に散骨した。
羽田沖とは知らなかったので、なんだか賑やかなところというか、むしろうるさくてビックリしているかも知れないが(笑)
寂しくなくていいと思っている。
羽田に行くたびに会えるし。
父も同じところに散骨して欲しいと言い出した。
私もそうしようかな。
つづく。