ミュージカル「ヘタリア〜The world is wonderful~」 東京12月25日のレポというか感想。
今回のヘタミュの内容
別れて暮らしていたイタリア兄弟が再び手を取り合い、イタリアを統一しようとする話。
イタリアちゃんの支配国であるオーストリアからの自立と『自分はローマ帝国の血を引いていないのでは?』疑惑を軸に、独立と統一をイタリアに促すプロイセンや、すでに独立を果たしたアメリカ。弟に独立されたイギリス。
領土拡大を狙うロシアとフランス。欧米列強から色々学ぼうとする日本。弟相談所を開設する中国。
ロマーノを親分として守ろうとするスペインと、弱いからこそ強国からの庇護を選び、家族が傷つく戦争を避けようとするロマーノ。
それぞれの思惑と愛情が交差しながら、渡る世間に鬼はなしパロなんかもを交えつつ、大団円になっていく話。
ドイツが出演していないんですが、それでもヘタリアが成り立ったのはけっこう驚いた。
私
ヘタリアは初期ヘタリアが好きで、中盤〜現在のジャンプラは読んでいない。
ヘタミュはニコニコで過去作一挙放送で知り、ヘタライの役者達の涙と熱演に惚れ、今回の動画も購入。プロイセンをいじられキャラではなく、大河を大観で見る歴史の道標としての役割として描いてくれたヘタミュには感謝しかない(プロイセン推し)
好きなキャラはプロイセン・マカオ・花たま夫婦・台湾ちゃん。
ヘタミュの推しはもちろんプロイセン!と、原作よりもパワフルでフリーダムな舞台のアメリカさん。
ひとまずの感想
新作をやるにあたって二時間以上も上演なにをやるの?と最初は思っていたが、思っていた以上に中身がぎっしりな上に、原作ではできない国同士の狡猾なやりとりやバチバチ感があって面白かった。
各国ごとに愛情のかけかたや種類に個性がある。
アメリカさんのアドリブが全部おもしろい。
あと『ローマじいちゃんとイタリアは血が繋がっていない』という設定が今回の話のキーになってたが、これギリシャがいたら気まずくてできなかった話だよなと思った。
古代ギリシャと今のギリシャはマジに繋がりはありません。断絶している。
でもヘタリアでは古代ギリシャと現在のギリシャは母子関係。
この母子関係をひまさんがどう描いているかは忘れてしまったんですが、歴史的に見ると血の繋がりはない親子関係になる。
そういう人から見たら『じいちゃんと血が繋がっていない』や『ローマ帝国の血筋ではない』の騒ぎは、「血の繋がりがなんぼのもんじゃい!!」ってなりません?
そもそもヘタリアの国は人の腹から生まれてくるものではなく、その土地に自然発生して生まれてくる。
だからそこまで人間みたいな血の繋がりは大切か?とは少し思った。面白かったけどね。
あとプーを尊厳あるキャラクターとして描いてくれてありがとうございます。
衣装
日本
飾緒の位置変じゃない!?紐を肩にかけるのじゃなく、なぜ腕の下にくぐらせる!?
黒でカッコいいが、なんかそこばっかり気になった。
あとファンが黒の制服姿を見て『日帝さま!』とリプしたり騒いだりするのはちょっと…。
いや二次創作の場ではそう言われているのは知ってるが、やっぱり日帝という歴史的存在の名称に、現代日本人である私達が『様』をつけてアイドル的に騒ぐのはよくない。
ナチスと手を組んでいたのが日帝なんだから。その子孫が私達なんだから。
あんな風に無邪気に騒ぐのは良くないですよ。
つーか公式もちょっと黒だとヤバさのほうが来るなとか思わなかったんだろうか。
ロマーノ
第一印象が『顔が堂本光一+アカデミー賞の会場にブルゾン姿で現れ、その佇まいから洋画沼の住人から『工場長』と呼ばれていた時のティモシー・シャラメ』だった。
あのときティモシー・シャラメがきていたジャケット、一応プラダなのでキャラにはあってるかもしれん。
というか先生、ロマーノ服絶対にあのティモシーのブルゾン姿モデルにしてませんかこれ。
アンサンブル
服としての個性はあった上で主演の国達の演技を邪魔しない、上品で可愛いデザインで好きですね。
俳優の後ろで踊っていても装置を移動させていてもカッコいい。銃を構える仕草も好きなんですが、やっぱり大きな国旗を振っている姿が一番好きですね。舞台映えするし、大きく勇ましく旗を振る姿を見ると『あーヘタリアを観に来たなー!』って感じがします。
赤い裾が可愛い上に、暗い場面や遠い席から見ても自然と目に入るのがいい。
セット
両脇のカラフルな建物の窓から顔を出して演技をするの、ご近所感があって可愛いですね。
そのままでも可愛かったんですが、その建物の一部を動かすことができ、しかもそれがトリックアートのように部屋の一室になったりする変化自在なところがまた面白くて。
本当に舞台っていろんなファンタジーが表現できるんだなー。あとセンターの舞台の橋!!
あれ、実はけっこうな高さありますよね!?!?
役者が飛び降りるたびに感じる微妙に予想以上に長い着地までの時間だとか、地面に足をつけたときの音とか、絶妙に足にくる感じがしていて、あれは役者さん毎回ちょっと怖いだろうなーと思いながら見てました。
身長が高い役者ですら高いと思うだろう舞台装置、生で見たらけっこうな高さを感じたのでは?
さすがに配信ではそこまでわからなかったが。
OP
初っ端から国達が倒れていて心臓に悪い。(特にプロイセン)
そこからの映画グレイテスト・ショーマンパロで、すごくカッコいいパロディだったと思います。あちらもショービジネスの話で、演者が個々の個性を生かして興行を成功させる映画ですからね。
そういう意味でも出版社の関係上、ヘタミュの新作は難しいとされていた復活公演のOPとしては力強いパロディだったと思います。アメリカの赤いジャケットとステッキが死ぬほどカッコいい。
アメリカファンだったらこの時点で円盤購入を決めたでしょう。私も推し(プー)がセンター近くの美味しい位置にいてくれて嬉しい。あとここでGHQの話をぶちこんでくるのは笑った。
原作では見なくなった、国同士の危ういギリギリネタを攻めていれてくるヘタミュ好きですね。
あとヘタミュ過去作のGHQの歌が大好きで。明るいブラックジョークさがいい。
OPでミュージカル映画のグレイテスト・ショーマンパロをやってくれたから、どうせならフランスさんの映画レ・ミゼラブル 「民衆の歌」もやってくれないかなーと思っていたら途中でやってくれましたね。
あれは嬉しい伏線回収でした。まあそれでフランスさんはお腹痛くなってましたが(笑)
世界運動会
《中国》
ヘタミュにおいて大きな国旗をたなびかせる演出も好きなんですが、中国さんが功夫扇バッと広げる演出も大好きなんですよね。
優雅で華やか。赤が鮮やかで、刀ステで番傘を取り入れたのを見たときも思ったんですが、こういう若者向けのコンテンツに伝統芸能要素を取り入れるの良いですよね。シンプルにカッコいい。
《フランス》
今回はわりと悪役な位置にいたフランス。親しみあるお兄さんを自称しながら手段としては狡猾に貪欲に国力を広げていく姿には好感。こういうおっかさなもヘタミュの魅力だと思っているので。
そして中の人の演技がヘタリアのフランスそのままで、漫画を読んでいてもフランスはこの方の声がしてくるレベル。
ヘタミュ公式ツイッターにあげられていた、正真正銘のハンサムがあざと可愛さ推しの顔で撮った自撮り写真がすごくフランス。
《ロシア》
中の人は今回ロシアを演じる上で10キロ近く痩せたらしい(確か)
ロシア人は映画では無表情で冷たい人間として描かれることが多いが、ロシア人的にはもっと表情豊かで人懐っこい雰囲気で描いてほしいらしい。
そういう点ではヘタリアのロシア像はあっているし、国として付き合うには恐ろしすぎる部分がありすぎる大国という部分もあっている。
こういう無邪気さと恐ろしさを中の人は見事に演じていて、おっかないんだけどキュートさがあるし、キュートさが逆に尾を引くような恐ろしさがある演技で、シリーズ通して好きですね。
バレエ的なダンスをするところも好き。
《スペイン》
このひとの無邪気さもロシアとはまた違った怖さがあるんだよな。
『いっぱい弟作って、親分色に染めたんでー!』はシンプルに怖い。ようは新大陸征服と植民地支配…。
カッコいいんだけどね!?ヘタミュ一大人っぽい明るい色気がある人だと思うんだけどね!?大航海時代もロマンあるし!!
けど『親分色に染めたんでー!』は、被支配国に対するスペインの無邪気な傲慢さと鈍感さが顕著に出ている感じがしました。
いや好きなんですけどね!?いい親分であるんだろうが、やっぱりどこか居心地の悪い優しさがある。
《イギリス》
この役者さんが一度歌い出すと会場の空気が変わる。
それくらい声量や台詞の明瞭さ、イギリスという歴史と格式ある強国の存在感。
とにかく別格の本物さがあるんだよな。
鉄ミュ無印の有楽町線(劇団四季)のときも思ったんですが、普段そのキャラが周りから弄られ翻弄されていようが、中の人の歌声の実力で、そのキャラが作品内でも格上であることを圧倒させる演出好きですね。
あとロックも死ぬほどカッコいい。ヘタライのときも思いましたが、UKロックの過激さとエモさを体現していて、やっぱりしびれるほどカッコいい。
スペインを足蹴にしてもどこか高貴。
《イタリア兄弟》
原作では卑屈で怠け者の兄という印象が強いロマーノでしたが、今回は非力ながら弟を守る兄という面を強く出していていい兄弟補完だなと思いました。
自分もお腹が空いているのに我慢して弟に食べ物を与えたり、強国に逆らえば弟の身が危ないと判断し自分から従うが、それでも最後まで弟の身を案じる。
ここのイタリアとロマーノのやりとりは泣きそうになりました…ロマーノの背中が辛い…。
この別離によってイタリアちゃんとロマーノの待遇や考え方が対極になっていくのが面白いですね。
オーストリアさんの元で厳しく躾けられながら従属関係にあったイタリアちゃんと、スペイン親分の元で家族同然に可愛がられながら暮らしていたロマーノ。
周りの国々に怯えながらも自立を目指すイタリアちゃんと、弱者故に現実の困難さがわかっており、強国に守られる道を選ぶロマーノ。
それを『舎弟としてうまく利用しようとしているだけ』と断言するイタリアちゃん…。
舎弟としてロマーノを上手く利用しているのは、むしろスペインなのでは?とは思ったけどね。
原作ではイタリアちゃんのエピソードだったローマじいちゃんの背中の傷を見た記憶を、ロマーノのエピソードにすることで、どうしてロマーノが臆病なのか、兄弟が引き離されるとき何故オーストリアに従順に従ったのか、二回目以降見直すと色々納得がいく感じでした。
この改変を嫌がる人もいるだろうが、私は良い改変だと思いました。
というか今回、原作ではもうやれない(ひまさんが描く気がない)兄弟エピソードの補完がすごいなと思った。やってたらごめん。私のブランクが長すぎる。
オーストリアさんが相手に与える愛と、プロイセンが相手に与える愛の違い。
オーストリアさんが被保護者に与える愛と、プロイセンが被保護者に与える愛の種類って違うなあと思った。
オーストリアさんは自分の部下として仕事が一人前にできるように厳しく躾ける愛と、統一という途方もない夢を語り、自身の自己犠牲の上で実現させようと奔走するプロイセンの愛。
最初はオーストリアさん支配的で嫌だなぁと思っていたんですが、理不尽なことは言っていないし、自分が崩壊しかかるとイタリアちゃんの身を案じて逃げるように促す。
宗主国としての立場を保った上で、イタリアちゃんのことを可愛がっていた。
プーのイタリアちゃんの接し方は、弟と重ねて見ているから統一を促すし、兄貴分としてフランクに接する。
教育方針がオーストリアさんは優雅さを求めるのに対し、プーは軍事方面を伸ばそうとする。
正反対。
今回のヘタミュ、イタリア兄弟を中心においたせいか、各国が考える愛情のかけ方にそれぞれ個性が出ている感じがした。
イギリスは期待も搾取も家族としての愛情も依存も全部乗せでアメリカにぶつけ、アメリカに逃げられた。
スペインはロマーノを家族同然に可愛がるがどこまでも親分子分だし、フランスはみんなのお兄さんだよ〜とは言うが実際は狡猾に自国の利益を狙う。
ロシアは子供の貪欲さ。愛情も玩具も相手に分け与えるという発想すらない。
あと、ヘタミュにおける中国と日本の間にある愛情の描き方はちょっと過剰な感じがした。
ヘタミュの中国ってちょっと寛容すぎないか?という話。
『ヘタリアミュージカル~In the new world』で終戦直後、中国さんが日本に『良い国になったあるな』と言う場面があります。場面としては感動すべきなんでしょう。
でも私はこの場面を見た当時、さすがにこれを中国さんが日本に言えるには時期が早すぎる!!と思ったんですね。
日本は中国を侵略した側ですから。
自分をズタボロにした国に対し、終戦直後そんな寛容なことを言えるほど中国があの戦争で負った傷は浅くはない。
せめて中国が日本と対等な国力をつけてからの台詞だったら、納得できたかなーと思ったんですね(もちろんそれじゃ劇が成立しないが)
今回も中国と日本の関係が美化されているというか、中国さんが日本に寛容すぎるし、日本も中国の儒教的な兄貴づらが嫌で距離をおいていたはずなのに舞台の日本は実は中国を兄として切なく慕っているという感じが……美化されているなあと思う。
ある程度美化して描かないと踏んでいる問題がシリアスになりすぎるのはわかる。
だがここまで中国との関係を美しい兄弟愛として描くのは、都合よく日本の負の歴史から目をそらしていることにならないか?
昔、ディズニーには『南部の歌』という映画がありました。
これは現在『南北戦争前の奴隷制度を美化し、その当時まるで白人と黒人は対等な関係のように描いている』という理由で発禁になっている。
それと同じで、ヘタミュで描かれる中国と日本の関係って原作以上に危険な美化がされているように感じるんですよね。
兄弟離れ離れになっているイタリア兄弟に自分と中国を重ねる日本。兄として身を呈して日本を守り、アメリカ相手に『極東をナメるなー!』と叫ぶ中国。
一見それは感動的に見えるが、歴史ネタを扱う国擬人化として現実の史実とかけ離れすぎている。
歴史や隣国との関係を美化しているのはヘタリアの特徴でもあるが、日本と中国との関係を日本人の手でここまで美しい兄弟愛として描かれるのは、ちょっと違和感を覚える。
『南部の唄』が名作であるがゆえに見た人に奴隷制度を勘違いさせるように、ヘタミュが面白くて感動的だからこそ、公式がここまで美しい兄弟関係として描くのは止めてほしかったですね。
私達はストレートに当事者側なんだから。
本家よりも人格や威厳を尊重して描かれるヘタミュのプロイセン
多くのプロイセンファンがヘタミュに感謝しているのは、プロイセンをまともなキャラクターとして描いているところじゃないんでしょうか!?
『一人楽しすぎるぜー!』と言わない。ぼっち・不憫キャラとして弄られない。一方的にイタリアちゃんに執着する変な人として描かれない。小鳥や俺様日記推しでキャラ立てしていない。周りの国から蔑ろな扱いをされていない。
世の中の動きを大局に見据え、歴史の道標として説明と指導的な役割を担ったキャラクターとしてプロイセンを描いてくれているのがファンとして嬉しくて嬉しくて。
3であれだけ威厳のあるキャラクターとして描かれるとは思っていなかったし、幼稚な印象しかなかった俺様日記も、一冊の偉大な歴史書のような扱いで感動で涙が止まらなかった。
だから今回のヘタミュもプロイセンが参戦すると聞いたときは、かなり怖かったんですよ。
今度こそ惨めな弄られキャラになるんじゃないかって。
私は原作でその部分(プロイセンがぼっちキャラとして弄られ続け、周りの国からも暗に扱いに困る国として距離を取られている)が嫌で離れた口なので、今回のヘタミュでプロイセンのピエロ化を一番懸念していたんですよ。
でも違いましたね。
ヘタミュ3と同じく、尊厳ある偉大な存在としてプロイセンを尊重して描いてくれた。
大大大大大感謝……!!
私が見たかった軍事的に勇ましく、知的で戦略家なプロイセン……。愛しのイタリアちゃんから逃げられず(むしろ慕われている)、プロイセン本人もヤバい絡みはしない、まともな兄貴分のプロイセン……。
こんなプーがずっと見たかった…!!
中の人の演技もすごかったですね!
冒頭では柄の悪いヤンキーみたいなのに本編が始まるとイタリアちゃんに独立と統一を促し、自分が戦争でボロボロになっても(そしてその未来に自分自身がいなくても)、ドイツ統一という夢の為に戦う姿は涙が出ました。
プロイセンって俺様とかいうくせに、どの国よりも一番教えたがりで、自己犠牲のキャラなんですよね。好きだ。
あと中の人がアドリブに弱いのも可愛かったですね。
アメリカさんの無茶振り(俺カニだから横にしか歩けないけど、前に歩くにはどうしたらいい?というアドリブ)に『おう俺様か……。……横に歩けばいいんじゃねえか?線路とか敷いて』と苦しく返すところが素の動揺が垣間見えて大変に可愛い。
アメリカの役の人のアドリブが超すごい
中の人のアドリブとコメディセンスが抜群にすごい!!!!
アメリカのアドリブ、全てが面白かった。
本来私は映画沼の住人で、本番一発勝負の舞台のアドリブって嫌いなんですよ。滑ったときの空気に耐えられない。(そして基本的にコメディが嫌い)
けどヘタミュのアドリブは全部面白かった!! 特にアメリカさん。
『無駄に長くて面白くないアドリブかましてんじゃねえ』とイギリスさんからダメ出しをくらって心臓がギュっとなるアメリカ(巻き添えになったイタリアちゃんが可愛い)や、『ケータリングのアンパン食べた?』とフリーダムさとか(素で『バカ!バカ!!フリーダムすぎるよ!!』と焦るイタリアちゃんが本気で可愛い。イタリアの中の人の真面目な好青年さが垣間見れたし、ヘタライで言っていた『手本にしちゃいけない大人』にアメリカの人が選ばれたのか理由がよくわかった。あのアドリブは強心臓すぎる)
『積極的にアドリブに挑んでいこう! ただし、そういう仕事しかこなくなる!!』の場面も何度笑ったかわからない。
きっと普段から『ここはアドリブで!』しか書いていない脚本とかよく渡されるんだろうなあ。
それだけ役者としての技量の凄さと、制作側の信頼が厚いってことなんだろうけど。いや本当に
全てのアドリブが面白かった!
アドリブだけではなくアメリカという超大国のキャラ造形も見事で、パワフルさと無邪気さ、過去作でも見せた、NO1大国としてのおっかない国の圧力も体現してくれている。
洋画でも米国の社会および文化の象徴したようなキャラ(ハクトウワシとアメリカ国旗をたなびかせたジョックの白人。共和党員)もよくいるんですがそれよりは毒気が少なく、育ちの良さがあり、周りを明るくする楽しい陽気さがあって好き。
あと子メリカの演技が好きで好きで。
あの赤ん坊が出たとき『出たな邪悪な赤ん坊!!』と爆笑しました。
子メリカを顔はめボードで表現する演出や、すぐに急成長して育て親から自立する所も含め、こういう毒っけとキュートさが融合した笑いは好きですね。
しかしヘタミュは偉いよ。
ちゃんと国や歴史に絡んだエピソードや会話劇で笑わせるんだから。
よくあるただ若手俳優が奇声を発し、意味不明に騒いでいるだけのやつは嫌いなんですよ。
確かに『かわいいー』となるが、それは笑いではなく愛玩なので。
作品の面白さとは違う。
続きはまた今度。まだもうちょっと語りたい