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AI短編「面梟と木蓮」執筆時のプロンプト紹介。短すぎるのでテクニックも。

読んでいない方はぜひ先に短編を読んでからこちらの記事に戻ってきてほしい。

この記事では、「面梟と木蓮」執筆時のAIへの指示を公開する。


きっかけ

きっかけは非常に欲張りなものだ。
要するに前のAI短編小説が予想以上の反応だったのである。

AIにちょっと命令を出すだけなので悔しいのだが。

一つのAI短編小説に関して3つも記事を出せたことも良かったのだろう。そこで、AI短編小説には相当の話題性があることに気づいた。

二匹目のどじょうを狙うことにしたのだ。

もっとマシで直接的なきっかけは友人のN君だ。
僕は、N君が以下のタイピングゲームで入力させられていた幾つかの単語を繋げて文章を作って遊んでいた。

そこで適当にピックアップしてお題としてAIに執筆させたらどれだけカオスになるかなぁと興味が湧いて、ChatGPTに書いてもらったところ案の定だったわけだ。

面倒なので指示は一度きりしかしてない。章題と合うように次の章に書くが、何しろ指示は一回きりなので短め。

プロンプト

>>> 面梟と木蓮と事情聴取と磯巾着をテーマに1000文字程度の短編小説を書いて

テクニック

今回大事なのはお題のランダム性だ。
つまり「面梟」「木蓮」「事情聴取」「磯巾着」という4つの関係なさそうなお題をAIがどうまとめるかが面白いのだ。

今回はパッと思い付きでやったが、意図的にランダムな言葉を出しても良い。これに関して、どこかで読んだ方法を説明する。僕のおぼろげな出典不明の記憶なのであしからず。

それは、名詞をたくさん挙げ、そのうちの一つの特徴をさらに挙げていき、その特徴のどれかで別の名詞を修飾するというものだ。わかりにくいので例を出そう。

- 宇宙
- パソコン
- ブルドッグ
- チャップリン
- デジタル腕時計
- 英文法
- 積乱雲
- 充電ケーブル
- 富士山
- 制服

試しに10個の名詞を挙げてみた。「デジタル腕時計」を選び5個ほど特徴を挙げる。

- タイマー・ストップウォッチ付き
- 時間が分かる
- 電池切れする
- 数字が表示される
- 手首に跡がつく

これらで最初に挙げた10個の名詞を修飾してみる。

- タイマー・ストップウォッチ付きブルドッグ
- 電池切れする富士山
- 数字が表示される積乱雲

こんな感じだ。試しにChatGPTにショートショートを生成してもらった。結構やり直している。最後の出力のみ示した。


>>> 「タイマー・ストップウォッチ付きブルドッグ」の不思議な超ショートショートを書いて

>>> MarkDownで

# タイマー・ストップウォッチ付きブルドッグ

ある日、町外れの骨董屋で、僕は奇妙なブルドッグの置物を見つけた。全体は古びた陶器でできているが、目の部分に小さな液晶画面が埋め込まれていた。そして、背中には「START」「STOP」「RESET」と刻まれたボタンがある。店主は言った。

> 「タイマーとストップウォッチが付いている、非常に珍しいブルドッグだよ。どうやら一度も使われたことがないらしいがね。」

その奇妙さに惹かれて、僕はそれを買った。家に帰ると、さっそく背中のボタンを押してみる。「START」を押すと液晶画面が動き出し、秒が刻まれる。そして、「STOP」を押すと時間が止まり、「RESET」でゼロに戻る。普通のストップウォッチ機能だ。

だが、その夜、ブルドッグの置物を見つめていると不思議なことが起こった。「START」を押して画面が動き出すと、僕の周囲の時間が急に遅くなったのだ。時計の秒針が重力に引っ張られるようにゆっくり動き、人の声も深く引き延ばされた低音になる。そして「STOP」を押すと、世界は静止したかのように動きを止めた。

試しに外に出て「START」を押してみると、車はスローモーションで走り、鳥は空中で羽ばたき続けるのに前に進まない。「STOP」を押すと、すべてが固まったように止まり、僕だけが動ける。このブルドッグは、ただのストップウォッチではなかった。

そして、その力に気づいてしまった僕は欲望に負けた。電車を「STOP」で止め、誰もいないうちに列車に忍び込む。銀行の金庫室に入る。危険な場所からも余裕で逃げられる。ブルドッグの力を使えば何でもできる。

しかし、ある日事件が起こった。液晶画面が点滅し、「LOW BATTERY」と表示されたのだ。焦って充電ポートらしきものを探すが見当たらない。この置物の電池が切れたら、僕はどうなる?もし「STOP」を押した状態で切れたら、僕は永遠に止まった世界に閉じ込められるのではないか?

恐怖が僕を襲った。もう使うのはやめようと思い、置物を物置の奥に隠した。しかしその夜、気づけば僕は「START」のボタンを押していた。

---

翌朝、誰も動かない静止した世界の中で、僕はブルドッグを抱えたまま立ち尽くしていた。液晶画面にはゼロのまま変わらない数字が、ただ虚しく輝いていた。


>>> 「電池切れする富士山」のショートショートを書いて

>>> Markdownで

# 電池切れする富士山

その日、富士山は黙って消えた。

ニュース番組の冒頭、キャスターは神妙な面持ちで報じた。
**「本日午前8時15分、富士山の電力が切れた模様です」**

日本中が凍りついた。テレビには灰色の空が広がり、そこにあるはずの富士山の姿はどこにもなかった。静かで穏やかな朝だったはずが、一瞬で非日常へと変わったのだ。

富士山が「電気仕掛け」だったことを知る人間は、実は少なかった。巨大な自然の山として信じられてきたあのシンボルが、実際には超高性能な「環境保存型モニュメント」だったという事実。100年以上前、地震と火山活動の影響で崩壊した富士山を復元するために、政府と科学者たちが開発した人工山。それが現代まで秘密裏に運用されていたのだ。

だが、その電池が切れた。

理由は単純だった。最新型のバッテリーを交換する予算が、何度も削られていたのだ。自然災害対策や新型エネルギー開発への予算配分が優先され、ついに「電池切れの日」が訪れた。

「富士山の復旧には約2週間を要します」と政府は発表したが、国民の動揺は収まらなかった。観光業は壊滅状態、海外のニュースでも**「日本の象徴が消える」**という衝撃的な映像が繰り返し流された。

その間、人々は初めて富士山の「ない風景」と向き合った。そこにはぽっかりと空いた空間が広がり、普段なら山の姿に隠れて見えない小さな集落や遠くの山々が不意に現れていた。不安や喪失感の中、一部の人々はその空間の美しさに気づき始めた。「これはこれで悪くない」という声さえ聞こえるようになった。

10日目、ついに新しいバッテリーが設置された。富士山は、ゆっくりとその姿を取り戻していった。その過程は、朝日が昇るように神秘的で、多くの人々がその様子を目撃し、涙した。

**「富士山が帰ってきた」**

それでも、一度消えた富士山は、以前と同じではなかった。人々の間には、あの空白を愛おしく思う声も広がっていたのだ。そして、一部の議員や科学者たちは、こんな議論を始めた。

> 「いっそ、電池を切れるようにしておいてもいいのではないか?」

人工の富士山だからこそ、「消える富士山」を取り入れた新しい観光戦略が生まれるかもしれない――そんな声も出た。

こうして、電池切れした富士山は、人々に日本のシンボルの新しい在り方を問いかける存在になった。そしてその日から、日本中の人々が夜空を見上げるたびに、こう思うのだ。

**「あの富士山、ちゃんと充電してるかな?」**


>>> 「数字が表示される積乱雲」をテーマに不可解なショートショートを書いて

---- 面倒くさい問答があるため省略 --------

>>> Markdownに書き換えて

# 数の音

8時45分。

7月の嵐の夜。車窓から遠くの空に広がる積乱雲が見え、雷鳴が鳴り響いていた。
空を覆う雲はどんどん膨らみ、奇妙な形を作り出している。その中に、何かが浮かび上がっているようだった。

光る稲妻が走り、雲が一瞬明るくなると、そこに「d616e6」と文字が見えた。慌ててスマホを取り出す。
次の瞬間には「964797」、さらに「02d657」と続いていく。数字はまるでコードのように次々に現れ、消えていく。

男はその現象に引き寄せられ、雷鳴の中、雲に近づいていった。自分の声もかき消されそうな音の中、彼は「何の意味だ?」と問いかける。

すると、雲の中から答えるように、次々と新たな数字が浮かび上がる。
「3747」「020」「75627」「963786e2」。どれも一瞬の幻のように瞬いて消える。

男はその不思議な数字に取り囲まれ、まるで宇宙の記憶に飲み込まれているかのようだった。
雷鳴が轟き、空が震える中、数が奏でるメロディーが耳を突き刺す。

何が意味するのか、誰にも分からない。数字の海に沈むような感覚に、男はただ呆然と立ち尽くすしかなかった――。


この3つの作品は可も不可もない感じの微妙な出来だが、後は「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」戦法でいこう。

もしくは、AIに自分で加筆する手もある。
てか、この方法は自分で執筆する文脈だった気がする。まぁいいや。

まぁ僕の場合、実験としてこれらの短編を書いているため(『クロノ・シンドローム』や『面梟と木蓮』にしても)それはしない。決して面倒くさいからではない

まとめ

最初にも述べたが『面梟と木蓮』を読んでない方は是非読んでほしい。AIが即席でもそれなりだということがわかるかもしれない。それから『クロノ・シンドローム』も読んでくれるとありがたい。

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