2005年6月。スタンフォード大学の卒業式にて。
彼のスピーチは以下のような言葉から始まった。
彼の言葉を抜粋して載せても良いのだが、長いスピーチを読んで力尽きないように、敢えてリンクを張るのみとしておく。
「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳 米スタンフォード大卒業式(2005年6月)にて - 日本経済新聞
また、スタンフォード大学公式にスピーチの全文(英語)が掲載されている。
Steve Jobs to 2005 graduates: ‘Stay hungry, stay foolish’ | Stanford Report
生涯
スティーブ・ジョブズ、その56歳の生涯 | WIRED.jp
1955年2月24日、サンフランシスコに生まれる。
生後すぐに、カリフォルニア州マウンテンヴューに住むポール・ジョブズ、クラリス・ジョブズ夫婦の養子となる。
高校に通いながら、ヒューレット・パッカード(現HPの前身)での講義にもよく出ていた。ついには同社の夏季インターンシップで働くようになり、そこでスティーブ・ウォズニアックに出会う。
1972年にオレゴン州ポートランドのリード大学に入学するが、半年で退学。
のちに価値が見いだせなかったと語っている。
ジョブズとウォズニアックは、1976年にアップル・コンピュータを創設。
最初の製品「Apple I」は単純な回路の組み合わせで、購入者がケースやキーボードを追加しなければならなかった。
そして、翌年にはそれをもとに「Apple II」を誕生させた。Apple IIは、アップルで初めて成功した大衆向けコンピュータで、使いやすさにこだわった製品でもあった。
そしてアップルは1984年、広告の傑作とされるスーパーボウルのCMで、IBMを挑発するかたちで「Macintosh」を発表し、業界を震撼させた。マウスによるGUIのコンピュータが一般向けに初めて現れた。
しかし、Mac登場の翌年、CEOだったジョン・スカリーとの権力争いの結果、ジョブズはアップルを離れることになった。ジョブズは2005年のスピーチで、「わたしは落伍者となり、シリコンバレーから逃げ出すことを考えもした」と認めている。
(日経の訳「公然たる大失敗だったので、このまま逃げ出してしまおうかとさえ思いました。」)
ただやはりこの仕事が好きなジョブズは、コンピュータ企業NeXTを設立する。また、コンピュータアニメーションのチームを買収し、ピクサー・アニメーション・スタジオを立ち上げた。
一方で、ジョブズの去ったあとのアップルは低迷。株価を68%も下げ、同社は倒産寸前に追い込まれる。
1996年、アップルが当時のNeXT Softwareを買収したことで、ジョブズは自分が設立したアップルに復帰した。
その後、1998年には「iMac」、2001年には「iTunes」と「iPod」、2007年には「iPhone」、2010年には「iPad」と、アップルはヒット製品を連発。
2003年に癌と診断されて以降、表舞台から撤退。
完治が可能である稀なタイプの膵臓癌だったため、一度はこの病気を乗り越えたが、健康状態の悪化は続いた。
2011年には癌が再発し、8月にはティム・クックを後任に選びCEOを辞職。
2011年10月5日、膵臓腫瘍の転移による呼吸停止により、妻や親族に看取られながらカルフォルニア州パロアルトの自宅で死去した。
Stay Hungry Stay Foolish
まさか、文字通り「腹を空かせろ。馬鹿でいろ。」という意味ではないだろう。それを理解するために、もう一度あのスピーチを読み直してみる。
冒頭に述べたように、スピーチのはじめ、スティーブは3つの話をするといった。
このスピーチは大学の卒業式で行われたものだ。「Stay Hungry, Stay Foolish」の意味は学生に向けたものだろう。スピーチ全体を読むと、それが少しずつ見えてくる。
功績
バラク・オバマは声明で以下のように述べている。
President Obama on the Passing of Steve Jobs: "He changed the way each of us sees the world." | whitehouse.gov
まとめ
学生に限らず、すべての人々に、この言葉をあてはめられると思う。
常識を壊す人がいれば、常識を保つ人もいる。そして、多くの場合保つ側が圧倒的多数派だ(だからこそ「常識」なのだ)。
また一方で、常識を壊した者は新たな常識を作り出す。上に引用したバラク・オバマ氏の声明にも「産業全体を再定義」とある。
常識の崩しあい、イノベーションの繰り返しによって世界は変化する。
僕は、常識を壊し作るか、もしくは保つかならば、壊し作る方を選びたいと思う。これは直感を大いに含んだ個人の感想だが。
皆さんはどうだろうか。
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