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自分の手が作るもの。

冬が去っていく。
暖かくなるのは嬉しいけれど、気が急く、慌てる、焦って転ぶ。春はいつだって浮き足立ってしまう。まぁ、春に限らず、いつもやることが遅いから、キモチがジリジリ焦げてることが多いのだけど。

そんなときは庭に出る。小さな菜園の野菜たちと対話する。もうすぐだよ、いまが採り時よ、もう終わりだよ、向こうからいろいろ語りかけてくる。

豊作だった今期のブロッコリーも、そろそろおしまい。

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大きな房を採ったあと、脇から小さな房が次々と出てきては摘んで、毎朝の食卓で鮮やかなグリーンパワーを放ってた。その楽しみも、今朝の収穫で株抜きしておしまいに。

ブロッコリーは、播種して収穫まで4〜5か月かかる。
自分の手で作った野菜は収穫のありがたみを味わいながらいただく。そう、食べるというよりいただく感覚。土も、水も、光も、風も。そして、自分が健康ですごせている、いま在ることすべてをありがたく感じながら。


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ビオラの向こうでは、パセリがムクムク大きくなってきてる。

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9月末に種を播いた1か月後。

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その2週間後。いったん芽が出て、その場の土・水・光・風を気に入れば、そこからはスクスク期に入る。

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そして、これが今日のパセリ群。もうすっかり群になってはいるけれど、夫がひとたびカレーを作るとなれば、ほぼむしり取られてしまう量。その前に、サラダでモリモリ食べなくちゃ。種を播いてから5か月半。お待ちしておりました。

家庭菜園なんて言っちゃって、まるで自分の手が作っているみたいだけど、実は植物の力をサポートしてるだけで、お手伝いしたお礼にと収穫という名の自然の恵みを授かってるんだろな。小さな菜園ながら、鍬を入れる季節になると明日の天気に応じた動きをするようになる。雨なら雨で、晴れなら晴れで。

そんな風に人間はお天気を気にするけれど、晴れもまた良し。雨もまた良し。土や植物たちは、そう感じてるような気がしている。

きっと、たぶん。知らんけど。


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