わたしは犬を洗わない。

去年の今日、こんなことを書いていた。

数年前のこと。犬友から「犬は洗われたいとは思っていない」と聞いて、あぁ、なるほどなぁと納得してから1度も洗っていない。

それまでは、夏の終わりや年末など、年に2〜3回はシャンプーしてた。犬を抱えてお風呂場に行く。犬はそれまでの経験から「あ、洗われる！シャンプーだ！」と体が硬直する。

お風呂場のドアを閉めると隅っこに逃げる。ぬるいシャワーをかけ始めるとさらにさらに逃げる。「だいじょうぶだよ」優しく声をかけながら、洗面器に薄めてあるシャンプーをかけつつ泡を立てながら洗いはじめる。1度目はなかなか泡立たないから2度洗いする。してた。

犬の目が「おかあさん、もうやめてー！」と訴えながらブルブルッとする。わたしはわたしで「実々やめてー！」と笑いながら、どちらもシャンプーの泡だらけになる。

さらに泡立てながら、ゴシゴシしたりシャワーをかけながらすすぎ始める。暑い夏の日の、散水ホースから出てくる勢いのいいシャワーは大好きなのに、シャンプーをすすぐぬるま湯のシャワーを怖がり拒否する。お風呂場の隅の隅まで逃げて、もう逃げ場がないのに隅っこに身を寄せて震える。「あと少しだからがんばって、きれいになるよ」なんて声をかけながら、どうにか終える。

脱衣所にはバスタオル2枚、ハンドタオル3枚を置いておく。それらを総動員して先ずはタオルドライする。のちドライヤーをかけるけど「もうほんとにやめてー！！！」と言わんばかりに逃げて、薪ストーブ前の自分の座布団で丸まると、もう頑として動かず、長い時間をかけて舌でベロベロして毛づくろいをする。

香料の少ない犬用シャンプーを使っていたけど、自分の匂いじゃない香りが付いて嫌だったんだろな。シャンプー後の犬はいい香りがして、毛も柔らかくなる。撫でてもキモチがいい。

だけど、それって。
わたしにとってのイイコトで、犬にとっては大迷惑だったんだろな。犬にも個性があって、シャンプーが好きな犬もいると思う。だけど、実々は夏の海水浴と水浴びは大好きだけど、シャンプーは大っ嫌い。ってことがわかってからは、もう何年も洗っていない。それでいいと思ってる。

庭で穴掘りして、顔や両手両足ボティまで泥だらけになったときは、蒸しタオル5本くらい用意してゴシゴシやるけどさ（笑）。実々は、もう全身丸ごと洗われないことを知っているから、身をゆだねてゴシゴシされるがままでいる。

そうして。
蒸しタオルで顔を拭かれるときに、自らタオルに顔をうずめにくる。産みのお母さんにベロベロされてた記憶をたぐり寄せてるみたいに、うっとりする姿がまた愛し。

犬にもウイルスにも、年末年始は関係ないものね。12月20日の夕暮れ。自分を取り巻くすべてのことにありがとう。エッセンシャルワーカーのみなさんに心からの感謝を。いつもほんとにありがとうございます❤️

今年の年末も犬を洗うことはないし、帰省もしないことを家族で決めた。犬と一緒にのんびりしよう。ゆっくりしよう。