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三つ子の魂

数少ない手持ちの盆栽に欅がある
まだ手に入れて数年の新米で、手入れも難しいと聞くのでこわごわ見守っている。
自分の持つ鉢の中で最も小さい。

幼稚園の園庭に欅の大木があった。
当時の記憶だから、今見たらそれ程大きくない可能性もある。
眺めるのも触るのも大好きで、お絵かきの時間にも画用紙いっぱいに欅を描いた。
風に揺れる枝葉と、その先に輝く空と雲がとても好きだった。
欅の面影は常に心にあり、自分の支えになっているように思う。

最近は大木を見上げる機会が無い。
子どもの目線には、木の上には空があってワクワクしたけど、
今はビルや電線や高架が目につき、安らぎにもわくわくにもならず、
すぐに目を落としてしまう。

唐突に思った。
空が見える処を見つける処からやり直さないと。
追い立てられて前を見たり、
落ち込んで下を見るだけでなく、時々は上を向いて切り替える。
子どもの頃から繰り返していたこと、救いになっていたこと。
いい加減幼子ではないのだし、
場所は与えられるばかりじゃないから、
『空の広い場所』は自分でも探さないといかん。



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