気象庁で23年のキャリアから”わくわく”を求めてベンチャー企業であるサグリへ【入社者紹介】エンジニア土山さん
採用担当の山本です。本日は、2022年10月に入社したばかりのエンジニア、土山さんを紹介します!
土山さんのキャリアは気象庁でなんと23年間!!そこからベンチャー企業であるサグリに転職を決めた理由とは?
是非ご一読ください!!
土山さん
ファーストキャリアでは気象庁に入庁されたんですね。学生時代から気象を学ばれていたのでしょうか?
学生時代は物理学を学んでいました。
公務員試験を受ける次点ではどこの省庁、などは決まっていませんが、気象庁を希望していました。
気象庁を選んだのは、防災という観点で、台風や地震、大雨から命を守るお仕事という点と、物理学の知識も活かせそうだな、と思っていました。
防災の仕事は、自然現象を分析するお仕事です。たとえば、雨がどのような振り方をするか予想する、などです。そういった仕事に理系的な考え方は活かせるだろうな、と思っていました。
入庁されてからのキャリアは?
最初は最前線に配属されました。
まずは長崎県の五島列島にある測候所(気象庁管区気象台の下部組織に当たる地方機関)に配属され、防災に直接携わりました。狭い範囲でしたが気象を観測し、注意報や警報を出す仕事です。
そこから福岡へ転勤し、今後は九州全体の防災を統括する仕事に就きました。
地域の各気象台への指示だしや、本庁とのパイプ役、他の省庁の方とも防災の面で連携を行うなど、事務仕事ながら先輩・上司の元で広い視野での仕事を経験しました。
その後は東京の本庁へ配属になり、複数の部署を回っています。
なかでも、ひまわり8号・9号の整備に携わったことが自分の中でも大きな経験となりました。
気象衛星であるひまわり8号・9号の整備とはどういったお仕事だったのでしょうか。
ひまわりが効果的な観測を可能にするために、センサーの性能の企画とメーカーさんへの発注や、観測スケジュールの立案などを行っていました。
実はひまわり7号までは、取得できる衛星画像が白黒であったり、観測できる波長も5種類だったのですが、8号からはカラー画像になり、観測できる波長も16種類に大幅に性能がアップしました。
そのため、衛星から降りてくるデータ量も多くなり、データ蓄積していくソフトウェアの開発も重要な取り組みでした。降りてくるデータに意味を持たせる形で蓄積しなければならず、またこのソフトウェアは24時間35日動き続ける必要があります。
ひまわり8号・9号にかかわるお仕事はやりがいを持たれていたんですね。
ひまわり8号・9号はみなさんがよく知っている衛星であり、「かっこいい」という感覚があったので、携われることは誇りでしたね。
データ処理で一番難しいところに携われたこともやりがいでした。
実は、コンピュータープログラミングは仕事にしたい分野だったんです。
高校生から自分でプログラミングをしていて、今のようにプログラミング教育が一般的ではなかったのでオタクの世界でやっていたイメージです。
ずっと好きだったことがうまく活かせたと思います。
気象庁は気象のシミュレーションなども行うため、プログラミングなどを活かせる仕事があることは知っていましたが、自分にそのチャンスが来るとは思っていませんでした。
「365日ずっと動かすシステム」というところで気合は入り、かなり勉強もしました。
周りからも想像のつかない、すごい事をやっている部署、と見られていましたね。
ひまわりそのものに関われるのは気象庁内でも一部の部署です。
そのソフトウェアが気象庁の各部署に活用されていくんですね。
気象庁の他の部署では取得できたデータの品質チェックを行い、製品開発に取り組む部署があります。
風向・風速をデータから地球全体で割り出す仕事や黄砂が舞い上がった量を衛星データから割り出す仕事など、部署により様々な取り組みを行っています。
衛星から取得できるデータは写真のみではなく、温度や地面からの反射の強さ、風向や風速、黄砂の量なども取得できます。テレビの天気予報でみる衛星データといえば写真のイメージですが、センサーで様々な光の波長を使い、いろんな種類のデータを取得できます。
例えば、霧が発生している場所だけを見つけ出す、海上で海氷だけを見つけ出すなども可能です。
気象会社や航空関係でしか使われない情報もあり、マニアックかもしれません。
私自身は、火山が噴火した後、火山灰が大気中をどうたどっていくか検知するためのプログラムも携わりました。
これまでのキャリアでもリモートセンシングに10数年携わって来られましたが、なぜサグリに興味を持たれたのでしょうか?
リモートセンシングに携わる中で気象衛星・雲・エアロゾルなど様々な勉強を行いました。
気象衛星ひまわりは地面より上空の大気の状態を監視するのですが、自分は「地表面」に興味を持ったんです。
Googleマップなども含め地図見るのも好きですし、飛行機に乗ればずっと窓から地面を見てしまいます。
サグリと出会い、農作物の植生の状況など、陸の状態を見る衛星があることを知りました。
地表面を見るのが面白そうだとずっと思っていたので、方向転換したい、と思い、応募しました。
正直はじめは、試しに就職活動してみようかな、くらいの気持ちでした。
面接を受ける中でサグリへの印象はどう変わっていきましたか?
おもしろいことやっているな!と思いました。
農地の区画を分析するということはもちろん、農業の課題って結構あるんだな、衛星で解決できるんだな、という点は興味深かったです。
地面をみて、モニタリングすることで、何かできたら面白いな、と思いました。
農業にももともと興味があったのでしょうか。
実家が兼業農家なので親しみはありました。
これまで父親から聞いていた、農業の悩みなども、今となってはなるほど!と思います。
妻の実家も農家であり、田舎暮らしには農業は必ずついてくるものですし、自分もいつかは農業をやりたいなぁと思っています。
23年勤めた気象庁から、ベンチャー企業であるサグリへの転職。勇気が必要だったのではないでしょうか。
正直、勇気は要りました。
ただ、公務員としてできることはだいたいやりきった、という感覚があり、伸びしろがないなと思ったんです。私自身の今後の公務員としてのキャリアは技術者としての役割よりも政策検討や予算調整などの官公庁ならではの役割が求められてくると考えました。
自分としては、リモートセンシングの知識使っての仕事続けたいという思いと、やっぱり地面がみたいという気持ちがありました。
サグリに内定し、不安はあったけど、わくわく感が勝りました。
ベンチャー企業に対しても規模の小さい会社の方がキャリアが活かせていいなと思っていました
周りからは心配じゃないのか、もったいないなど言われましたが、わくわく感がない場所でキャリアを続ける方がもったいないと思います。
今後サグリにはどのような可能性を感じていますか。
これから、いろんな衛星のセンサーが進化していくと思います。
センサーの進化した能力を活用し、様々なサービス開発を行えるようになるのではないかと思っています。
現在はポリゴンデータの活用や、土壌分析で肥料を最適化するなどの取り組みを行っていますが、もっとできるサービスの幅が広がっていくのではないかと思っています。
人の役に直接立てるのはソフトウェアだと思っているので、センサーの進化に期待しながら、農家の人が使いやすいソフトウェア開発に取り組みたいと考えています。
他にやりたいと思っていることはありますか。
新しく農業をはじめようとする人と、ずっと農業をやってきた人をつなぐ商品を提案してみたいなと思っています。
農業経験のない人に経験者がアドバイスをしたり、同じ商品をどう活用しようかと話合いをしたり、といったような両社のつながりの橋渡しを、サグリのサービスを使ってできたら面白いなと思っています。
将来的には農業の人口を増やしたいですね。
日本の農業が廃れると、食糧自給率下がっていきますし、実際、自分の実家は兼業農家をやめて、田んぼや畑があった土地は太陽電池パネルしてしまいました。
自分の実家が農業では儲からないから太陽電池パネルに、と考えたように、農業をやめる人が増えれば、農地はどんどん減ってしまいます。
農業未経験の方と経験者を橋渡しすることで農家を増やしたいですし、自分も農業にチャレンジしたいです。
最後にサグリへの応募や入社を考えている方へひとことお願いします!
サグリはまだ小さな会社ですがその分、柔軟性があり自分の考えを活かせる会社だと思います。みなさんが持っている”わくわく感”も活かしてみませんか。
サグリでは仲間を募集しております!
サグリでは「衛星データ×AI」で農業に貢献するプロダクトを複数、開発中です!
▼下記URLからご応募をお待ちしております!