THE・王道

『王道』とは何か?

広辞苑では
1.儒家の理想とした政治思想で、古代の王者が履行した仁徳を本とする政道をいう。(対義語:覇道)
2.もっとも正当な道・方法。「歴史小説の王道を行く傑作」
3.(royal road の訳語)楽な方法、近道。「学問に近道なし」

とされている。
今回取り上げる作品における王道というのは、2の意味に該当するだろう。

この創作における王道とは、何か。

「この作品は王道だ~!」なんて言い方をする人もちょいちょい見かけるが、王道とは?と聞かれたら答えられる人は多くないだろう。

筆者自身もこの答えについては曖昧なのだが、現時点では「多くの人に好かれる要素を多く持つのが王道だよ」と答えるようにしている。

『王道には王道足る所以がある。』ので作風が王道であるということは支持される要素が多いことは間違いないだろう。
たまに「メジャーな作品、ミーハーな作品を嫌い、マイナー作品を好む」という言わば『マイナー厨』に分類されるオタクが少なくないが、このタイプはマイナー作品が好きな自分に酔っているだけなので、本当に辞めた方が良いと思う。それで自身の視野を狭めるのは損でしかない上に、火がない所に煙は立たない…ではないが、流行って人気のあるコンテンツになるには、やはりそれ相応に理由があるからだ。

しかし、人気になるコンテンツとは、それだけではない。
というか、何故その作品がヒットしたの?という問いに対して「王道だから」と答える人は正直苦手だ。お前は作品の魅力をそれしか語れんのか。

読み手の趣味嗜好もその時によって変化するものなので一概には言えないが、ヒットする作品というのは「王道的要素に、少しの新しい挑戦をしたモノ」だと思っている。
王道だけであるならそれこと飽きられるし、それなら3番の意味の(作り手にとって)「楽な方法」でしかならないからだ。
王道だけでしかないなら、焼き増しと何ら変わりはない。
その作品ならではの長所があるからこそ、良作に成し得るのだ。これこそが作品のアイデンティティであり、魅力なのだ。

この王道的要素は作品のコンセプトによっても変わってくる。ロボットアニメであれば「複数のロボットが合体する」とか「ちょっと可愛い感じのオペ子が出てくる」とか色々ありそうだが、これらの王道的要素はラブコメや冒険モノのようなロボットとの無縁の作品では王道とはならない。

逆に「逆張りで異質なことをやることが正義」でもない。
いや、誰もやらなかった新しいことをやるほど良くも悪くも影響は与えやすいんだけれども。
異質であることを拘るあまりに、読み手が全く理解できなかったモノもある。
白猫プロジェクトのデコラ&ボコラのキャラクターの思い出シナリオはそれの最たる例である。

でも最近流行った鬼滅の刃ってマイナーにマイナーを重ねた作品らしいですね…!

(無限列車編、面白かったです。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?