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Wolfstride レビュー(ネタバレあり)クズ達の歩み

はじめまして、人間のクズ!


出だしからこの口の悪さが全開のゲーム。それがウルフストライドだ。
ジャンルはADV。自分は15時間程度でクリアした。
PVからすると所謂ロボゲーのように見えるが…実はそうでもない。
どちらかというとそのロボに集まってきたクズ共の話のほうが圧倒的にメインだ。
そしてこのゲームの主役が

ここではイケメンだが普段は気のいいあんちゃんみたいな顔をしている。

このパイロット、ナイフ・レパード…ではなく

ネガティブな発言が多いし老人っぽいが32歳である。

このしょぼくれた老犬メカニックのデューク…でもなく

カミナの兄貴みたいなグラサンをしている上にヤクザである。

チームのマネージャー、ドミニク・シェードだ。

ちなみにこのゲームは全編モノクロであり、ずっと白黒のままだ。
なかなかに味わい深い。

男の子のロマンが詰まっている

そして主役メカがこいつ、カウボーイだ。
ゲームの目的としてはこの見かけだけはいいガラクタでロボットバトル大会を優勝し、大金を手に入れることだ。

戦闘システムは1列のマスでのタイマンバトルだ。
移動し、いい間合いを見つけ、相手の胴体…チェストを破壊すれば勝利だ。
カウボーイはパンチとライフルを使用し戦う。攻撃ごとにちょっとした演出もあり、個人的には悪くないと思っている。
ただし、これ一本で凄まじく面白い戦闘システムかと言われると練り込みが足りておらず、ほぼ最適解だなという構成でほぼなんとかなってしまう上に、装備は一番いいものを装備しておけばいい。お金は後述するがほぼすべてのプレイヤーは持て余すので余裕で最高品のパーツを買い揃えられる。

仕事とパイナップルだろ、クズ!

このゲームでの金策は2種類。ロボットバトルで勝利した金か、バイトの金だ。
そして残念なことに前者でもらえるお金ははした金だ。修理費用は賄えるがそれだけ。主な稼ぎはバイトになる。
…が、このバイト、ちょっと上で話したパイナップルが絡んでくる。

キメてんだろ…?くれよ…

このゲームのパイナップルは所謂好感度アイテムで、基本的にはバイトのランダムドロップ以外では全然足りない量しかもらえず、金で買うことも数個しかできないのでひたすらにバイトをやることになる。ついでにバイトは初期の段階では完ぺきにこなすことは不可能で、ストーリーの進行か、パイナップルでの好感度イベントでアイテムを貰って自分を強化しなければダメだ。これがランダムドロップな上に、かなりの量必要なので自然とお金が溢れてしまう。後半3000RD要求されたりするがぶっちゃけ余裕で払えるレベルである。パイナップル集め頑張れよ、クズ!と言わんばかりだ。

レインシティ、クズ共の集まる場所

このゲームで一番の魅力はキャラクター達だ。
ほぼ全編フルボイスな上にどいつもこいつも癖が強い。
主人公たち3人に加え、

しょっちゅうピー音を鳴らす口が悪すぎるロボ、ピープー

メタいネタもバッチリこなしてくれる。ちなみに日本語で言う

限定的な完全記憶能力持ちの少女、ネブラスカ

よく顔芸をする。誰だよ!

の5人に加え、個性的なレインシティの面々と交流しながらストーリーを進めていく。
やり取りは面白く、もっと聞いていたいと思うのだが、特定の場所にいるキャラクターに話しかけに行くのがちょっとめんどくさいのでFT機能が欲しかった。シェードは方向転換するさいにブレーキをかけるので移動が少々面倒なのだ。
ちなみに、そういったストーリーでのカットシーンをスキップしようとすると

スキップすると実績がもらえる。

ちょっと情に訴えかけてくる。
ただバスやエレベーターの移動のカットシーンもスキップできるので自分は100人位殺したと思います。ごめんな…

良くも悪くもインディーズなゲーム(ネタバレ有り)

さて、ここからはこのゲームにつきまとう根本的な1つの問題点を話していこう。
それは…ほぼ投げっぱなしのストーリー上の要素が多い事だ。
ストーリー序盤が終わる辺りで、主人公たち3人は「GW」という人物を加えた4人で強盗をし、大金を手に入れ一旦分かれたがなんだかんだで集まってきた、ということなのだが…
このGWというやつがどんなやつかロクに描写がされない。
カウボーイ自体ももともとは「GW」が残したモノで、カウボーイという名前も彼ら4人のコードネームから取られたものだ。(シェードはウルフ、デュークはウィザード、レパードは暫定パイナップルのままだった)
だがなぜこの機体を残したのかはいまいちはっきりしない。

さらに意味深な描写としてネブラスカの回想みたいな語りが入るときもあったが別に回収されたりもしない。もしかしたら元ネタがあるのかもしれないが生憎わからないので只々この先戦争が起きるんだろうな…ぐらいの気持ちにしかならない。作中最後でもWW3が始まりそうな描写は多数あるが正直どうでもいいのだ。

そしてシェード自身について明かされるのも最後の最後だ。
それまでの60数日、自分自身として動かすキャラクターはどんなやつなのかはっきりしないまま過ごすのは後半になると結構なもやもやとして自分を襲った。どんなやつか断片的に描写はされるが、それでもはっきりしないままラストのラストまで来る。
なぜこいつは悪魔祓いの方法なんて知ってるんだ?いつ日本のセンセイと知り合ったんだ?大事なことではないかもしれないが、ADVである以上この辺のもやもやを無視して話すことはできない。

彼の作中上の原動力はここだとは思うが、それをプレイヤーが実感するのは最後の最後だ

結局のところ、やりたい描写を詰め込んだり、唐突に出てきて数日すると去っていくやつや、思わせぶりな描写をして断言せず終わっていくキャラ等、もったいない要素が多いのだ。インディーズ故の体力の限界だろうか?それとも深く描写する必要がないと感じているのだろうか。
自分はもっとその辺の描写が欲しかった。










総評(一応ネタバレ回避用に間を開けておいたぞ、クズ!)

良いところ

  • 独特の世界観、個性豊かなキャラクター達

  • それを引き立てるフルボイス

  • 味のある絵やドットで描写されるレインシティやキャラクター

  • それなりに楽しいロボットバトル

  • 時々入ってくる日本リスペクト

悪いところ

  • 結末が多少弱い

  • ミニゲームでの稼ぎがめんどくさい

  • 投げっぱなしの要素がちらほら見受けられる

  • ロボゲーとしては見るべきではない

個人的には「ADV」としてならおすすめできるが「ロボゲー」としてはおすすめしない。そしてそのADVとしても完璧とまでは言えないが、独特の味が気に入る人は必ずいるはずだ。

もしこのゲームが気に入ったなら、また会おうぜ、クズ。

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