優秀な人がTwitter離れしていく理由
Twitterがトイレの落書き場と化してしまったのは、公衆トイレのように誰でも気軽に入れるほど利用されるようになったからに他ならない。
Twitterは、もっと早い段階で規制を強める必要があった。
壁は穴だらけで覗かれまくり、おまけに乱暴までされる汚れた場所に広告を出そうと思う企業は少ない。
キングコング西野氏は、Twitterをただの拡散ツールとしてしか活用しなくなった。
落合陽一氏もまた、RTやnoteの告知といった、やはり自分の更新ツールとしてしか利用していない。
藤原和博さん然り、多くのビジネスキーパーソンらはTwitterで主義主張を訴えかけることはやめ、発信はきちんと伝えられるフィールドでのみおこなうことに切り替えている。
そこは馬鹿が入れない有料の世界であり、今や無料で彼らのような人間の言葉を直接見聞きするのは難しい。
さすがなのはYouTubeで、ネット上で暴言を浴びせまくる石投げ族らの対策を幾重にも構築し健全化させることで、芸能人を次々と招き入れた。
Twitterの公衆トイレ化以外に昔から言われているのは、受け取る側のリテラシーの低さだ。
Twitterは140文字という制限のため、どうしても要約された表現になる。
すると、行間を読まず短絡的に受け止めた人たちからすぐに石が飛んでくる。
それがフォロワー増に繋がっていた時代もあったが、その数字のバカバカしさに人々が気づき始めた。
短文でバズを狙いフォロワーを集める。その数字をカサにまたバズを狙う。さもすれば「一ヶ月でフォロワー1000人増やす方法」という情報商材が、このnoteの有料販売でいくらかにはなる。
アフィリエイトで月何十万と稼いでいる人の実態は、アダルトサイトや違法アップロードだという話がある。
確かに、未だにYouTubeでは違法アップロード動画にしっかり広告がついている。
そして、月に何十万も稼いでいるというアフィリエイター達も、稼いだ数字はひけらかすが、運営サイトは決して見せない。
そこも開示し流入させた方がプラスになるのに見せないのは、「見せられない」からだ。
アダルトサイトであろうと、違法アップロードであろうと、ネット副業で月100万稼げばこっちのもの。
「脱サラして、バカでもアフィリエイトで年収一千万」と銘打ち、これもnoteで売れる。本まで出せる。
情弱になりたくない情弱が、これに大枚はたいて情熱を注ぐ経済圏が、今日も元気に賑わっている。
ネットの数字を作るのは、ドブに浸かれば比較的たやすい。大事なのは、ドブに浸かっているところを見せずに数字を集められるのがネットの妙だということ。
バカはそこに気づかない。見せかけの数字に日々飛びついて、間違った努力を繰り返す様は、宝くじを買って夢見て落選し、を繰り返しながら10年20年という時間だけを失う悲しさと似ている。
優秀な人たちは当然気づいている。さらに優秀な人たちは、気づき始めた人が出てきたことにも気づいているから、派手な炎上を演出し不用な数字集めに奔走しなくなった。
それよりも、優秀な人たちとの濃度を求めた。バカは1,000人集めてもバカだが、優秀な人間は10人も集めれば100万馬力にもなる。
言葉を選ばずに言うなら、子どもに100円のものを1,000個売るより、金持ちに1万円のものを10個売れば同じ結果になるということ。
誰でも、1,000個売る労力より、10個で済む方を求める。
かつて2chを立ち上げたひろゆき氏は、人格否定禁止のSNS「ペンギン村」を公開した。
これは入場料を取るTwitter世界のようなもので、見事なタイミングだったと思う。
説明にはこうある。
「暇なときに一緒にテレビを見て感想を言ったり、漫画を見て感想を言い合ったり、相談事に載ったり、バカ話をしたり、地域の近所の人とやるようなことを、ネット越しにやろうとする村です」
かなりゆるめのオンラインサロンといったところで、時代のニーズとすごく合っていると思う。
タダで使える汚れて危険なトイレを使うか、清潔で暴漢もいないトイレを有料で貸してもらうか、というところだ。
こういった集落や村、コミュニティーを持っていないと、無尽蔵に現れる石投げ族らと永久に向き合いながらネット活動をすることになる。普通の人なら、いつか精神的に疲弊する。
ネットを完全に断ち切って日々を邁進できればいいが、この時代にそれは難しい。
そこで、有料というハードルを用いて、閉鎖空間を構築し、石投げ族を排斥する。
僕は、YouTubeに有料公開機能がつけられる日は近いと思う。
※現在メンバーシップ機能がある
登録者数が1,000人なり1万人もいればそれができますよ、と。
月額設定費用も自由で、払っていれば、自由に見られますよ、という。YouTubeだって、広告収入以上に、利用料を回収できるに越したことはないだろう。
noteのように、冒頭だけ見せて、後半は有料、といったような機能も考えられるし、コメントも有料会員しかできない、とか、有料会員へのサービスはいろいろ考えられる。
僕は、YouTube(鷺谷政明の一人演芸協会)を毎日22時にアップしているが
ゆくゆくは一人演芸協会員を集め、新たなコミュニティーを構築してみたいと思う。
ゆるやかに死んでいくTwitterのおかげで、スマホ時間の分散化が起き始めている今ならタイミング的には申し分ない。
よくわからない人を大勢集めた数字の力より、気の合う仲間らと言葉を交わせる当然の充足感に気づけば、誰もがTwitterから距離を置き始め、自分の「楽しい」をもっと追求するだろう。
そうして石投げ族と傍観族は、どこにも属すことなくただTwitter上で獲物を探しながら、ただ浮遊し続ける。
まさに
「そして、誰もいなくなった」
Twitterから優秀な人は。
そのことにも気づかず、ただただ浮遊する。まるでウォーキングデッドのウォーカー。ここまで読んでくれたあなたには、そんなゾンビにはならないでほしい。