「マジシャンのトランプって普通のトランプ？」

はい。普通のトランプです。

まあ、仕掛けのあるものもありますが、そういうことではなくて。

マジシャンが使うトランプって日本ではまだなじみのないタイプなので、そういわれることが多いのですが、多くはU.S.Playing Card Company というアメリカの会社のもの。

実はトランプという呼び名も日本だけのものです。

トランプ（trump）には”切り札”という意味があります。

ポルトガルなどからゲーム用のカードが入ってきたとき、ゲーム中にトランプと叫んでいるのを聞いて、日本ではそのもの自体が”トランプ”だと勘違いしてしまったようです。

だから実はこのカードをトランプと言っているのは日本人だけ。トランプという商品名も日本製のものだけ。マジシャンが使うカードにはトランプとはどこにも書いていないし、世界中どこへ行っても”トランプ”では通じませんのでご注意を。

通常はプレイングカード(playing card)と呼びます。ゲーム用のカードという意味。

実際にカジノでも使わている、滑りやすく、丈夫な材質。適度な硬さや弾力もあります。

カジノなど、カードのギャンブルが文化としてある国ではカードは消耗品。傷などでイカサマをされる恐れがあるため、カジノでは必ず使用前に封を開け、一度使用したら使用済みとして、カードの角を切ってお土産として売られたりしています。

ちなみにプラスチックだと思っている方が多いようですがほとんどが”紙製”。材質は良くてもとても安価です。僕らの使っているものでも２ドル(約２００円)くらい？もっと安いかもしれません。(日本では関税などもあって、もう少し高くい売られている場合が多いですが。)

日本にはカジノ文化が無く、トランプはお金をかけないゲーム用のものとして存在します。というかそんな国は日本だけかもしれません。

だからずっとゲームに使えるようにプラスチック製が多いんです。トランプを買うのに１，０００円払う国も日本くらいでしょう。

要は日本以外の先進国では、この材質がスタンダードなのですね。そしてそういう文化から発生したのがカードマジックですので、それを使うのがスタンダードだということです。

そもそものカード自体の歴史も相当古いので、そう思ってみるとマジックの見え方も今までとは変わるかもしれませんね。

結論。

普通のトランプ、いや、普通のカードです。