ボイス音声編集~公人直人の巻~
※内容のネタバレを含みます。
前回までの記事と少し毛色が変わるが、今回台本以外でも1作だけ音声編集をさせて頂いたので、そこに絡めて、今回のボイス企画の自分なりの総括をしたいと思う。
この作品の再生数は企画初日に公開されたことを差し引いても、現在男性女性含め全体で再生数トップという恐ろしい結果を導いている。これは戦略が上手くハマっており、サムネイルとタイトル、ハッシュタグが全て効果を発揮しているものと思われる。ボイス動画は検索に如何に引っかかり、その上で如何にクリックしてもらうかというところが勝負になるということを象徴している。
元々この作品は、台本を四宮式さんという作家Vtuberが作成、公人直人が長尺一発録りしたものを、アドバイザー担当であった私が気まぐれに音声編集をやってみたという流れで完成したものである。
台本は女性向けヤンデレ彼氏コンテンツを象徴するようなスタンダードな内容、公人直人の淡々と読む素のままのサイコ感がバチっとはまって非常にそれっぽくなっている。
私は最初に渡された録音音声を聞いて「良いけど何か足りないな」と率直に感じた。アドバイザーとして演技等の指示をしてリテイクしてもらうことは簡単だったが、それをせずに間の取り方や声の聴こえ方、環境音をソフトで編集したほうが臨場感が出て良くなるのではと考え、私がその編集をすることを申し出た。
私は基本的に音声や歌関連は「MAGIX MUSIC MAKER MX」を使用している。画像の左上を見てもらって伝わるか分からないが、このように左耳と右耳がそれぞれどの方向から聞こえるかを360度設定していくことが可能である。公人直人は特にバイノーラル録音をしているわけではないが、疑似的にそれを表現することが出来るというわけだ。
公人直人の声データを細かく刻んで小さいトラックに分け、彼が聞き手の周囲をどのように動きながら話を進めていくのかを想像しつつ、すぐ前あるいは斜め前に立たせたり左耳元や右耳元に近づかせたりと、より恐怖を、臨場感を煽るように工夫したつもりだ。その際に、気になった声と声の間なども調整した。
他人のボイス作品を編集、それも疑似バイノーラルなんてしたのは初めてだが、自分が想像してたよりは面白い出来になったと思う。
序盤で書いたサムネイル、タイトル、ハッシュタグ理論は勿論大事だが、聴きに来た方を満足させることがもっと大切である。公人直人本人に後で確認したところ再生の7割以上は「ヤンデレ彼氏」等で検索してきた方、そして公人ボイス全体再生数の5割以上は男性だそうだ。それが世の理において何を意味しているのかは分からないが、きっと「満足」していただけたのではないかと思っている。
今回は台本3つ、編集1つほか諸々お仕事という感じで関わらせて頂き、新しい挑戦で一つスキルアップしたような気がする。他の8つの作品も素晴らしいものが多かった。今後もボイスを出したい方が身内にいれば是非助けていきたいと思うし、自分自身が作品を作る時の肥やしになれば良いと願うばかりだ。
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