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パックリアン戦法 基本変化②-2a 対先手66歩→67銀型

今回は上記の記事のラストに提示した3つの選択肢のうち2つ目、先手が▲66歩と柔らかく指す方針への対策を書いていく。

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1、秘蔵の一手△13角、先手の進展を妨害しよう!

▲66歩に対する手は色々とある。これまでに述べてきたような△31角や△34歩、△64歩などなど…。しかし今回はいかにもパックリアンという感じの△13角を紹介しようと思う。

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何を狙っているのか分かりにくい所だが、先手の▲46歩からの陣形強化を一時妨害している意味がある。また、ここでチャンス!とばかりに▲15歩と突いても、△同歩▲同香△68角成▲同金△15香で角と銀香の2枚換え、かつ端を逆襲する形となり先手不満だろう。

まずは▲67銀と角の利きをかわしつつ、7筋の攻めに備える方針を見ていこう。角の切り場所がなくなったので後手パックリアンも一旦は端攻めを避けて△24角と上がっておく。

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先手としても角の利きが邪魔で指し手の選択肢が少ない。変に駒を動かしてしまうと角を成られて終了ということになる。

まず▲56銀と位の確保に行く手は自然だ、後手は△73銀と仕掛けを狙う。

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やはり先手の指し手が難しい。▲65銀では流石に上手くいかないし、▲46歩と突けないので自陣にも触りにくい。更に後手から△75歩▲同歩△64銀のような仕掛けも見えているため、うかうかしていられない。あまりやりたくはないが▲26歩△34歩▲25歩△33角と今回も追っ払ってみる。

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追っ払ってみて①▲68金や②▲46歩あたりが候補手になるか。順番に見ていこう。

2、追い払われても逆用だ!△24歩の有効性

①▲68金にはすぐさま△24歩と突き返すのが機敏な手だ。

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▲26歩~▲25歩と追い払う手にはこの反発が常にあるので覚えておいてほしい。先手としても△25歩と取り込まれては辛いので▲同歩と取り返す。

△24同角となった局面でどうするか。例えばすぐに▲57金と上がって▲46歩から高美濃を目指すような手には△86歩が刺さる。

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試しに△同歩と取るが、歩でも角でもどちらでも△88歩が激痛だ。

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▲88同角は△86飛、▲88同飛は△57角成がある。これは先手が相当まずい。

ということで△24同角に再度▲25歩△33角と追っ払って▲46歩とでも突いておくのが丸い対応だろう。

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先手の陣形も良くなってきた。後手としては△73銀を活用して攻めていきたい。まずは△75歩と軽いジャブから入る。

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▲同歩△64銀では後手のスピード感に拍車をかける。▲67金と上がって暑く受けてみる。パックリアンも構わず△76歩と取り込んでいく。

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これを▲同金は△72飛から金を狙う。後の局面と合流しやすいが▲59角と引いた場合を見ていく。角引きに△64銀と5段目進出を目指す。

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細かい枝は省略するが例えばここから

▲76金 △72飛 ▲77金 △74飛 ▲76歩 △73桂 ▲67金 △75歩

が進行例。

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先手の金の動きが不自然に見えるかも知れないが、後手も一気には攻めにくかった。しかし上図となってみれば後手パックリアンの攻撃陣が手厚く、やや指しやすいといったところだろう。

さて▲25歩△33角と追い払った局面に立ち返る。

ここでは先述の通り▲68金に代えて▲46歩と軽く指す手も候補としてある。これには△24歩と反発するのもありそうだがやや効果が薄いか。

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先程の変化と比べて先手の左辺が手薄い。やはりここは△75歩といきたくなる。真面目に▲67銀と受けに行くのは5筋の迫力が弱まるため△76歩でも△64銀でも困ってしまいそうだ。中途半端なのは良くない。ここは▲同歩と強く対応する。

当然後手も△64銀とスピードに乗って攻める。

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受けるには飛車の応援が必要だ。

▲59角 △72飛 ▲78飛 △75銀

後手は抑え込みにいく、先手もそう簡単には潰れない。

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▲58金左 △76歩 ▲67金と全力で受け止めに行く。後手も迂闊に銀を前進させると▲56銀が活躍しそうなので注意が必要だ。

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上図まで進んでみて後手もあと一押しが欲しい。△64歩~△74飛~△73桂のような順が普通に見える。他には△64銀と一旦バックするのが面白い手だ。

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意味がないようで、これは5筋を狙っている。△54歩や△45歩~△55銀といった手段がある。先手も7筋に戦力を割いているので5筋で仕事されてはたまったものではない。この銀を追いたくなるところだが…

▲65歩 △75銀 ▲36歩 △74飛

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一旦引いた銀を▲65歩に呼応する形で△75銀と戻ってくるのが老獪だ。歩を突いたことで▲65銀のような手がなくなっている、そして後手からの角のラインが開いてしまったことに注目してほしい。

先手も大捌きは難しくなった。とは言え▲27銀などから銀冠を目指すようでは…後手に仕掛けを許す。例えば△54歩~△45歩は厳しい手順だ。

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こうなってしまうと先手の陣形は収拾がつかない。パックリアン側大成功だろう。

戻って△64銀の一旦バックに対して▲76金と歩を払うとどうなるか。

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これに対しては△45歩が有力だ。

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▲45同歩に△55銀と出ていく。

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先手は飛車金の位置関係が悪いため銀を渡しにくいうえに、△72飛の睨みがあるため迂闊に駒を動かせない。これも後手パックリアン成功の形だ。

3、奥の手▲65歩には右四間で対抗しよう!

もう△75歩からの仕掛けにはこりごりだ。そう思った先手は▲65歩と銀の進出を阻んでくるかもしれない。これには△84銀方面で棒銀も考えられるが…

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有効な手法として△62飛を紹介する。当然これは次に△64歩と突いていく狙いだ。

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先手も▲68飛と回って受けたいが、あいにく△24角が威張っている。ということでいつもの▲26歩△34歩▲25歩△33角の追い払いをし、いざ!と▲68飛と回ってみたが、ここでも△24歩の反発がある。

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▲同歩△同角で結局飛車に当たってしまった。しかし先手も▲67飛と浮いて頑張る。

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先手を歪な形にすることに成功した。後手は満足して△82飛と元の位置に帰る。これは次に△86歩~△88歩を狙っている。先手も▲78金と受けるが…

△75歩が秘孔を突く急所の一着だ。

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このタイミングで▲25歩と角を追い払おうとしても△13角と粘られるだろう。もはや▲15歩からの端攻めは間に合わない。諦めて▲75同歩と腹を括る。

▲75同歩 △86歩 ▲同歩 △88歩

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最後の△88歩が作ったような決め手だ。▲同金には△79角成があるし、▲同角は△86飛と走った手が▲56銀に当たってきて、まともな受けが無い。

以上細かい枝分かれをかなりカットしたが、概ね後手パックリアン側が戦える変化だった。△13角の覗き、是非試してみてほしい。

4、まとめ

・▲66歩型には△13角で先手の陣形を妨害してみよう。

・▲26歩△34歩▲25歩△33角と追い払われても大丈夫。後に△24歩の反発も考慮に入れよう。

・△73銀型から△75歩の仕掛けは常に有力、チャンスとみたら狙おう。

・他の変化と同様。中央からの反発は常に有効な手段なので7筋攻めとセットで考えよう。

・▲65歩の突きっきりには△62飛からの右四間が有効だ

次回は▲66歩+▲57銀型について説明する。似ているようで少し違う変化を楽しんでいこう。

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