コズミック右四間研究 序章
1、概要
ノーマル振り飛車や雁木戦法が再流行を見せている。すなわち3手目▲66歩の需要が高まっているということになる。これら二つに加えて、高田流や左玉等の特殊な指し回しを習得しているタイプのプレーヤーは強敵であり、対策に苦しんでいる方もいるのではないだろうか。
「コズミック右四間」は速攻を仕掛けて、こういった相手の作戦潰しを狙っていく戦法となる。場合によっては相手を混乱に陥らせたまま攻め続け、短手数決着も望める破壊力を持っている。相手の様々な対処を紹介しつつ、いかにして優勢を築いていくか解説していきたい。
まずは基本図をご覧いただこう。後手の戦法だが、図面は逆にしない。頑張って読んでもらいたい。
初手から
▲76歩 △34歩 ▲66歩 △64歩 (基本図)
既にやる気満々といった体勢だが、ここからどう変化していくのか。5手目の指し手から分岐を追っていく。
2、5つの分岐
5手目ということで先手にも多くの選択肢があるが、大別して4つとさせていただこう。
①▲78銀(or68銀)
雁木戦法や四間飛車等の振り飛車の可能性を残している。オーソドックスな手だがコズミック(後手側)にとっては狙い撃ちの対象となる。先手の88角が浮いていることに着目し、速攻を仕掛けていく。
②▲78金
▲78銀は角が浮いたことにより仕掛けを許した。危険と見た先手は金を上がって安全に雁木を目指す。最速攻は難しくなったが、コズミックはこれに対しても早い仕掛けを狙っていく。
③▲77角
88に角を置いたまま何とか頑張ろうとした▲78金はやはり色々な仕掛けが気になった。安全に雁木を目指すべく、先手は早々に角を上がって慎重に駒組を目指す。コズミックはどう仕掛けるのが良いだろうか。
④▲68飛
雁木を組むのも中々大変とみた先手は大人しく四間飛車で迎え撃つ。コズミックのメイン変化ではないが、現代流の右四間がどう戦っていくのかを紹介する。
⑤▲26歩
これまでの4つは消極的で、相手の攻めを待つような恰好になった。より積極的にいきたくなった先手は、飛車先を伸ばしてコズミックにプレッシャーを掛けてくる。果たしてうまくいくだろうか。
3、楽しく精密に攻める
どうだろうか。
右四間飛車戦法は元々攻撃力が高く、初心者には心強い武器にも憎らしい仇にもなり得るホットな作戦である。その右四間に更なるアレンジを加えたのが本戦法「コズミック右四間」となる。
ここまでで楽しそうな変化が待っていそうだと少しでもワクワクを感じたなら、この先の記事を読んで是非実戦投入してほしい。相手の脳を破壊して、サクサク勝ちを拾っていこう。