パックリアン戦法 ~後手番・対先手中飛車 基本変化②基本図まで~
↑↑↑前回までのあらすじ↑↑↑
1、基本変化②について 導入
前回まではパックリアンの△44歩を先手が▲同角と取った変化を説明させてもらった。激しい変化が多かったが、概ねパックリアン側に少しだけ利のある展開だということが分かって頂けたと思う。ただでさえパックマンの歩を取ったことがある人は限られるうえに、▲56歩△32銀の交換が入った形ともなれば未知の領域。これを取る勇者はそうそういるものではない。
基本変化②では先手が挑発に乗らず予定通り中飛車を目指してきた戦型、その中でも早めに55の位を取ってきた形について解説していく。こちらは一転して地味な展開になる。後手パックリアン側は「場合によっては千日手でもいーや」というくらいの感覚で相手を見ながら手を選んでいく姿勢が求められる。角道を開ける手を省略して振り飛車側の大捌きを封じ、小さな戦いで少しずつ利を上げていく指し回しを目指していこう。
2、基本変化②の基本図までの指し手
▲58飛と△44歩の挑発には乗らず、予定通り飛車を振る。後手パックリアン側、流石に次に▲44角と取られるのはまずそうだ。ここは△43銀と受ける。
何とも奇妙な恰好だが、この形こそがパックリアンを象徴する陣形ともいえる。他の基本変化でもこの43銀型が大いに活きる。
先手が▲55歩と突いて位取り中飛車を目指す。これを基本変化②とし、位取りを保留する指し方については別の記事で書きたいと思う。
パックリアンは△14歩と突く。これも大きな手で、先手番パックリアンならば初手でこの端を突く、そのぐらい重要だ。
先手も後手の態度が見えない(※居飛車も振り飛車もある)ので、ここは端を受けたいところだろう。▲16歩と突く。
端の突き合いが入ったので、生粋の振り飛車党ならここから相振りにしても良いだろう。ただし先手に中飛車左穴熊を選択される可能性があるので、そこは注意しておく必要がある。後手パックリアンは居飛車で進めていく。
△84歩 ▲48玉 △85歩 ▲77角 △62銀 (下図)
後手は角道を止めたまま、しかしそれ以外は平凡に組んでいく。先手としても超速相手のように左銀の態度をすぐに決めなければいけないような展開ではない。多少好みによって手順や形は変わるかもしれないが、左辺は少し脱力してさっさと美濃囲いに進めていくのが平均的な指し方だろう。
▲38銀 △52金右 ▲68銀 △42玉 ▲39玉 △74歩 ▲28玉 △32玉
上図が基本変化②の基本図となる。一見平凡に見えて、後手の△43銀と角道保留が特殊な恰好だ。ここからどうなっていくかを次の記事から説明していくことになる。
3、変化②基本図からの先手の選択肢
・2-① ▲57銀と左銀を4段目に出す方針。
・2-② ▲66歩と突き▲67銀型で後手の早繰り銀をけん制する方針。
・2-③ ▲46歩と左辺の態度を保留する方針。
次回の記事からは下の内容について一つ一つ書いていく。基本的な考え方と戦い方を説明するので。全て読めば実戦でも指せる内容になっているはずだ(無料)。また上級者向けの細かいマニアックな変化等は今回も有料記事で書いていくのでそちらもお楽しみにして頂ければと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?