パックリアン戦法 ~導入~
1、パックリアン戦法とは
そもそもパックリアン戦法とは何か、初手78銀?2手目32銀?左銀を真っすぐ上がるのがそうなの?よくわからないという方が殆どだろう。なにぶん私も情報を全然出してこなかった。下記のような記事も書いたがこれでは何も分からないだろう。
思想の近いものとして、少し前に山崎隆之八段が採用したことで話題になったパックマン戦法がある。先手番でも後手番でも使えるようにチューンされており、少々評価値がマイナスに振れても「自分の庭の力戦」になれば勝負できるという自信が垣間見える。
さて私が先述の記事を書いたり、またVtuberと将棋倶楽部24サークル「のりたま将棋倶楽部」との団体戦でも採用したことで、少し注目を浴びたところもあるので、今回「パックリアン戦法」と命名し、私なりの研究を小出しにしていこうと筆を取った次第である。
2、戦法のルーツ
元々この戦法を考えたきっかけは、以前の私が「先手5筋位取り中飛車」へ苦手意識を持っていたことだ。当時は超速などの戦法もまだ整備が終わっておらず、後手番で他に有力なものと言えば相振り飛車にするくらいかしらという状況で、それ故に中飛車左穴熊への対抗策を考える必要もあった。
古来より位取り中飛車に対しては居飛車側が角道を開けずに捌きを封じる作戦があった。しかし今でこそ居合い抜きのような戦法があるが、当時はあまり体系化されたものがなく実戦例も少なかった。
「同じような思想で面白い戦法ができないか?」
ひねりだしたのが下の基本図である。
先手▲56歩に△32銀。
さあパックリアン戦法はここから始まる。まずは先手中飛車に対する後手番について色々と書いていく。そのあとは「のりたま将棋倶楽部」との団体戦でも披露した先手番パックリアンに移っていければと思う。
正直なところ後手番パックリアンは必要に駆られて産み出したものだが、先手番パックリアンは完全に趣味の領域である。先手番のほうも面白く、相手がはまれば良くなる変化もたくさんあるとはいえ、展開が広く基本的には互角に近い所を行き来するので、どんな展開でも楽しめるオールラウンダーに勧めたい。
次回は「パックリアン戦法の基本変化」について触れていく。ではでは。
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