英語が得意じゃなくても3ヶ月で翻訳者になれる?○○式翻訳術(カレッジ)は怪しい? ー産業翻訳者が広告を検証!
コロナ禍で収入が不安定になったり、病気や育児、介護で離職したりすると、「副業」「転職」を考えたくなりますよね。英語が好きだから、翻訳の仕事でも!と思っているあなた、気をつけてください!
今、悪質な高額翻訳講座が出回っているんです。騙されたと思ってキャンセルしても、のらりくらりと返金しない情報商材というやつです。あなたの大切なお金をドブに捨てないために、見分け方を覚えて行ってくださいね。
まずは、ウェブサイトを確認してください。講座の詳しい時期や内容、料金は書いてありますか?もう一つ、無料講座といってLINEに登録するボタンがありませんか?料金が明示されておらず、LINEのボタンがあったら……それ、情報商材です!気をつけなはれや!
見分ける一番のポイントをお伝えします。下の画像を見てください。嘘や使ってはいけない言葉が混じっています。
①仕事をしながら英語力がアップするみたいに読めますね。逆です。高い英語力・日本語力があって初めて、クライアントから依頼される翻訳者になれるんです。診断の下手な医師や、料理の下手なシェフに頼みたいと誰が思うでしょうか。
②時間に縛られない自由な?確かに始業時間は自分で決められますが、作業が終わるまでは寝られませんし、ギリギリまで悩んで睡眠を削ることもあります。また守秘義務があるので、ノートPCを持ち出してカフェで仕事、なんてできません。
③一般の広告では、裏付けるデータが無ければ「世界一」などの表現は使えません(景品表示法)。マーケティングと密接な関係にある翻訳に携わる者なら知っているはず。知らないなら、モグリです。
では練習問題です。次の画像でおかしいところ、分かりますか?
では、答え合わせです。
①「自由な働き方、わがままライフスタイル」そう、わがままでは依頼が来なくなりますね。場所も機密が守れるところという条件が付きます。
②「収入を得ながらぐんぐん英語力がアップする」はい、逆でしたね。英語力と日本語力がまずないと翻訳の勉強すらできません。
③「中高生レベルの英語力を収入に変える魔法」はい、魔法はありません。コツコツ頑張るのみです。(私、TOEIC965点、英検1級取得してから安定して翻訳の仕事をもらえるようになるまで、大体3年かかりました。元の仕事によりますが、海外で働いている人でも1年くらいかかっていますから、初心者が3か月で!とかありえないです。)
④グレーゾーンですが、「時給5000円以上」「月収10万~100万円」も怪しいですね。仕事の斡旋をしているように読めます。翻訳は実力勝負、講師が受講生を紹介したとしても、実力が無ければ依頼は来ません。
LINEに登録してしまうと大変です。ステップメールというのを使って心理的に攻撃してくるので、ふらふらと申し込んでしまうかもしれません。情報商材屋の作戦を覚えておいてください。
1)簡単、楽、すぐに、誰でも(未経験、英語力低くても)、どこでも、短時間で、稼げると繰り返し書いてある。広告やホームページには料金は書いていない。教材サンプルもない。
2)広告やホームページからLINEに誘導する。「無料講座」と書いてある。
3)毎日のようにLINEを送ってくるが、料金や詳細はすぐには説明しない。
4)「無料特典」を送ってくる。
5)料金提示後は「〇日間特別料金」「先着〇名まで特典」等であおる。
6)キャンセルについての記載がないか、「返金しない」と書いてある。
7)ボタンで一発決済、銀行振り込みなら割引(返金したくないから)、契約書がない。
8)申し込み後は、LINEグループやチャットグループに招待して、動画を視聴する形式。あとはひたすらまねるように指導される。
9)成果が出ないと努力が足りないと言われる。「成果が出ている人もいるから詐欺ではない」と主張する。
【まとめ】
1)料金や詳細、教材見本がホームページで確認できない
2)LINEに誘導する
この2つが揃ったら、情報商材なので、全力で逃げて~!
申し込んでしまった!という人、まずは消費生活センターへご相談を。
又は、Twitter @bumicchu ぶみにゃんご へどうぞ。
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