12研いで磨いた床に降り積もる軌跡
『12研いで磨いた床に降り積もる軌跡』
0823文字で
おやすみなさいに繋がることを書こう。
アトリエという言葉は、フランス語で
創作活動や工芸作品をつくる人の仕事場のことらしい。
調べてみると、この言葉の由来は
『木片が溜まる』ということからだそうです。
創作、創造活動の有り様は多様だけど
総じて、自分の美意識や
『コレ!』という気づきや
感覚と向き合うことがベースにあると感じる。
ハッと気づいた感覚を目にみえる形に
表現したい場合も、
創作に打ち込むこと自体から、
内側にある感覚にハッと気づく場合も、
どちらにせよ、
そこにいるのは【自分】だし、
そこにあるのは伝えたい【誰か】と
向き合う時間だ。
表現者は、自分と向き合い、
コツコツと感覚を磨いて、
そして再び
自分自身に押し当てて、
またもっと奥の
素直な自分の鉱脈を探す。
手元に残るのは、
新しい自分の存在であり、
新しくみえてきた世界。
同時に視界の端、
背中を丸くして自分と向き合っている、
いつもの誰かの存在があるからこそ
安心してこころを集中させられるのだ。
そんな足下、その床に降り積るのは、
いわば、それぞれ自分自身と向き合った軌跡。
実は、これ、
何も芸術や創作だけではなく
暮らしや、生きることは、
まさに同じことだよね。
寄り添いあえる存在
新しい気づきを認めてくれる存在
そして、
やはり空間のもつオーラも大切で。
自分を磨いたあとのカケラ、
誰かに磨かれたあとのカケラ、
床に溜まる向き合った軌跡の総量が
アトリエの風格になるのかもしれない。
子どもも大人も、障がいの有無もない。
ただ、お互いの背中を委ね合って、
新しい自分や
新しい気づき
暮らしの楽しさに向き合う、
アトリエShiroiToというアトリエは
大阪府交野市星田の
異世界あいまみえる交差場所にあって
そこでは
工作や絵画だけではなく、
買い物をすること、
ご飯をつくること、
掃除をすること、
そういったひとつひとつの天体を
行き交う軌跡を積み重ねては
キラキラと瞬いている。
さぁ、今夜もおやすみなさい。
(以上、0823文字)
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