スケッターという【社会的メス】または【事業棚卸しフォーム】
「スケッター」とは、すきま時間を活用して働きたい、スキルをシェアしたい、という方々と人手を必要としている介護施設をマッチングするサービスです。
とホームページに並べられた文言は、とてもシンプルだけれども、そこにこめられた意味はとても重たいものに思う。
ここに書いてある通り、スケッターとは
【福祉業界における人手不足対策】を軸にした、いわゆるスキルシェアリング(技能を社会共有する)サービスの一つで、今、凄い伸びで登録者を増やしている。そして、登録して、実際、施設に行ってみた人がそのまま就労に繋がる率がとても高い様だ。
さて、スキルシェアのサービスが数ある中で、特にこのスケッターが、際立っているポイントは
『直接介護以外の仕事をやってくれる人と施設をマッチングすること』というところだ。
それは、
『直接身体に触るような介護の仕事ではないので、少しは気楽でしょ?でも、空いている時間あるなら、介護施設の仕事してみないですか?』と介護施設に興味ある人に呼びかけると同時に、
『身体介護等、専修的要素のない業務を洗い出してみようよ。そこを施設外の他の人に任せてみない?』と介護施設や介護事業所に呼びかけるようなものだ。
個人的には、この【福祉施設に求められるファーストアクションが[業務の棚卸し]】であるところがスケッターの一番の肝であり、最も社会変革に紐付いてそうに思うところである。
なぜなら
「人がいないから、そこに人を充てる」では、穴の開いたバケツに水を入れ続けるようなものだから。
いくら人材をマッチングしても状況の改善に繋がるには難しい印象がある。
だからこそ、そこで、
『いろんな仕事がある中で、何が必要なんでしょうね?』というところにむけて視線誘導が行われ、『この仕事は介護士さんがするよりも外の方に手伝ってもらうのがいいんじゃないですか?』という選別、仕分けを伴うことが、とても大きな意味があるように感じるのだ。
事業に対しての業務改善コンサルティングの機能(自己でバケツに開いた穴に気づける可能性)がセットしてあるのだもの。
それは、
組織の仕事の流れを自らで見つめなおすということに他ならない。
また、もう一点、特筆したい要素は
介護に対してのイメージが既にできている人材の入職を受け入れる場合と
まだ介護事業に慣れていない人材の入職を受け入れる場合では、受け入れ側の意識レベルは遥かに変わることが想像できる。
後者を日常的に受け入れるということは、
例えるなら、一般の地域住民を施設の中に受け入れること同様、【良い緊張感】をもつことに繋がるだろうし、それは、組織そのものの透明性にも繋がるだろう。
施設はスケッターを導入することで、閉鎖的になりやすい介護施設に外部の風をいれることができる。また、業務内容の適正化について、棚卸しができる。
ここで紹介したスケッターのみならず、
カイテク社のカイスケなどに代表されるスキルシェアリングサービスの波は、各 福祉施設に対してはもちろん、福祉、医療の閉鎖的業界に対しての社会的なメスになることを期待したい。
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