【大きな風に誘われる。44年と300何日か経った地点で】
ふと理解したんだ、今。
これまで繰り返してきた
我慢してる時間や決めかねてる時間。
意味はあったし
きっと必要だった。
これまで。
でもその時間はこれからもう
全てもったいないのかも
とふと思った。
もちろん、それに気づきはじめたのはもっと前の話で
そこに囚われているんだなとカウントする時間も40年をユウに超えた。
最近になって立ち現れるカラフルな情景の数々。
そろそろほどけば?
少女達の描いた
屈託はなくとも
いつでも真剣なうさぎは
ちょっとニヒルにそう言った。
樹齢1000年も生きてたらさ、
ノリだろ、もう、ノリ
門真の大きな楠は神様の社すら傍らに抱いて笑い飛ばす。
大きな風に誘われる。
空に伸びる数本の筋が水蒸気なのか、なにかの残り香なのか知らないが少なくともそこにもはや、本体は無い。
緊急事態の中
各小隊ごとにわらわらと鶴見緑地で過ごす人々を見下ろし
それもそれでいいんじゃねとばかりに雲は吐く息と吸う息で過ぎ去っていく。
いつも思い出せないのは、
自分が何者であるか、ということ。霊長類ヒト科のどこかに分けられるけものであることはわかってきた。
けれども、
全てわかってきたものも、
何もかも本当かどうかはわからないこと。
それならば。
その上で、今。
立ち返るなら、ここ。
大きな風に誘われる。
44年と300何日か経った地点で。
from さがん@SANSUKE合同会社 in 京橋ベースサンリンズ