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6月21日は「Show Your Stripes Day」でした。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが(私自身は最近知りました)、Climate Stripes(気候ストライプ)は過去百数十年の気温変化を色で表したものです。表題のグラフは、八王子のclime stripeで、年平均気温が平年より低ければ青、高ければ赤で示されています。
この縞模様を棒グラフで表したものが、下記のグラフになります。これを見ると、1990年代から温暖化が顕著になり、特に地球沸騰の時代到来と言われた昨年は2℃上昇しており、色もどす黒い赤を示し、温暖化の様子が視覚的に分かり易くとらえられます。

Climate stripesのホームページから、世界各地の気温変動を見ることができます。日本では東京をはじめ札幌、名古屋、大阪、広島、鹿児島など23カ所の気温変化を見ることができます。
Climate stripesのHP: https://showyourstripes.info/

私たちは現在ブルーベリーとブドウを栽培していますが、来年以降2メガクラスのソーラーシェアリングを展開します。パネル下の農地面積は4haほどになりますが、何を栽培するのか検討しているところです。世界のワイン用のブドウ産地の70%が、気候変動により栽培に適さなくなるということも言われているように、温暖化の影響を考えて栽培品目を選定する必要があります。特に果樹は結果が出るのに時間が掛かるので、5年先、10年先を見据える必要があります。そのために気候変化を定量的にとらえたいと思い、気象庁のデータを使って分析してみました。

■気温の推移

1977年から2023年までの間に、23年間で1℃の割合で上昇しています。昨年は過去最高の16.3℃を記録しました。
猛暑・酷暑と言われる8月の気温はどうなっているでしょう。

こちらは19年で1℃の割合で上昇しています。
ついでに年間の最高気温の推移。

1980年代も39℃に達する日がありますが、最近はそれがが常態化しているのが分かります。
次に35℃以上を記録した日数を見ると、一目瞭然です。

最低気温はどうでしょうか。

やはり上昇していますが、年ごとの振れ幅が大きくなっているように見えます。

■降水量
年間の降水量は少しづつ増えていますが、大きな変化はありません。

しかし一日の最大降水量を見ると様相が変わってきます。

平均145mmに対し、10年間で12mm/8%の割合で増加しています。年間の降水量はそれほど増えていないので、降るときと降らない時の差が大きくなっていると思われます。 

さてこうしてみると、温暖化は単に気温が上昇するだけでなく、気象現象の振れ幅が大きくなってくるようです。栽培作物はどうやって選んだらいいのでしょう。高温障害が出にくいものであることが前提ですが、今まで寒くて適さなかったミカンやレモンもできるかもしれません。とは言え、気候の振れ幅が大きいくなることも考えると、年によっては極端な低温になることも考えられるので、耐寒性も慎重に考慮する必要もあります。更に、鳥、シカ、イノシシ、ハクビシン、最近はサルも出没する地域です。鳥獣害の被害が少ないもの、さらに栽培に手間が掛からないもんの・・と考えていくと悩みは尽きません。気候変動が、果樹農家の死活問題になってきていることを実感します。
(2024.10.26 小林孝)

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