マガジンのカバー画像

ツイッターの下書き

55
しょうもない話
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

短歌集『チョコレート革命』を読む。胸がいっぱいになって一旦止める。

短歌集『チョコレート革命』を読む。胸がいっぱいになって一旦止める。

 『チョコレート革命』を買ってきた。
 サラダ記念日で有名な俵万智さんの短歌集で、1997年(平成9年)、俵さんが35歳のころに出版された。私があまり覚えていない、平成最初のほうの歌である。

 教科書に載っているもの以外で、彼女の作品を単行本で読むのははじめてだった。はじめてみた構成で、小説などとはちょっと違う。
 一ページに三首。見開きで合計六首が印刷されている。空白が多いものだから買ったとき

もっとみる
春の雨雲の明るさを

春の雨雲の明るさを

日曜日の昼の2時。
窓の向こうは先程雨が一時止まったらしく、曇り空を背景に窓ガラスには雫が蛞蝓みたいにゆっくりと落ちている。

春時雨というらしい春の長雨を眺めながら、私はわざと部屋の電気を消して、窓から入る薄ぼんやりとした光の中で過ごしている。

なにも特別なことではない。けれどこの曇り空の中薄ぼんやりとした部屋でじっと過ごす、これが最早いつもの私の平日では出来ない稀なことなのだ。

2020年

もっとみる

風の強い日を選んで歩く

 最初に注意するが、このnoteは極めて私の個人的な情けない、眉を顰めるような話である。

 私にはとてもとても苦手な事がある。この現代において、他人が聞いたら眉を潜めるような欠点。それは人と連絡することが苦手だということだ。

 仕事の電話もメールはまだいい。一番苦手なのがプライベートな連絡の"返信"だ。本当に本当に出来ない。苦手なんだ。友人は嫌いではない家族も嫌いじゃない。ただただ本当に"返答

もっとみる

「がんばろう」という言葉の便利さ

10年前、東日本大震災が終わった後「がんばろう!日本」という垂れ幕が、商店街や公共施設、店舗や広告などでみかけることになったのを覚えているだろうか?

一時期どこをみてもそのフレーズだらけになっていたのだが、実はそのフレーズに対してネガティブな反応もあった。

「被災者じゃない、現地とは遠い人がさも当事者かのように簡単に『がんばろう』というのはどうなのか?」

ということだ。
この声に対して斜に構

もっとみる