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「中国新興企業の正体」

大学の授業の課題として読んだ一冊だが、内容にとても感銘を受けた。
昨今中国の世界市場における経済的競争力を高めているのがIT、テック分野における新興企業だ。
アリババやテンセント、HUAWEI、百度などがその例として挙げられる。
これらの名だたる企業がどのようにして大きくなったのかこの本を読めば大まか理解できる。

滴滴出行、モバイク、饿了吗、テンセント、HUAWEI、アリババ、百度、途家、DJI
これらのIT、テック企業の創業から成功までの道のりを、創業者の人生を軸に章別に説明している。

この本を読んで学んだ事は成功する創業者の姿と中国の政治とビジネスの関係である。

まず一つ目に成功する創業者の姿について記述する。
起業して会社を大きくするのに学業が優秀か否かは関係ない。ましてや見た目の良し悪しや男女の性差すらも関係ない。
本書に出てくる創業者はさまざまなバックボーンをもっているが共通して言える事は、
事業・アイデアに対する情熱優秀な人間を巻き込む力
のように感じる。
優秀な人間は大抵立身出世し社会的に成功したポジションについていることが多い。
一方起業家は後がないほどの背水の陣であったり、野心のために安定を捨てるような人が多い。
つまり起業家にとってはいかに優秀な人間を先行き不透明な自分の事業に巻き込むことができるかがカギである。

二つ目は中国政府と民間企業の関係である。
一見規制の厳しそうな中国であるがその実態は一概に厳しいとは言えない。
中国では新興企業によるイノベーションに対して先に法整備をせず、施行した上で問題が起きたら取り締まるというスタンスがある。
一方日本では民泊や白タクがいくつかの懸念材料によっていつまでも合法化されず、日本のシェアエコノミーが一向に活性化されないことを見ても真逆の風潮であることがわかる。
中国においては電子決済が主な支払い方法であるため老若男女問わずスマートフォンを持ち扱い方を理解している。
スマートフォンがなければ物が買えないため国民はスマートフォンを購入し使い方を理解せざる得ないのだ。
このように国がイノベーションの歩幅、ペースに合わせることで老人など含めた国民全員をイノベーションに適応させているのだ。

イノベーションとは現行の状態から大きくシフトするため、大なり小なり問題が付随してくる。それを懸念して現行のままでいるべきなのか、多少の問題は目を瞑りつつ徐々に適応していくべきなのか。
答えは段々と出始めているように感じる。


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