
コクヨデザインアワード受賞作品「落ち葉を模した色鉛筆」と、祖母の裁縫道具チョークチャコ
“机の上にバラバラにおかれた状態でも美しく見える色鉛筆”
コクヨデザインアワード2023優秀賞受賞作品「落ち葉を模した色鉛筆」が製品化され、コクヨから昨年8月21日から一般発売が開始されました。
小学校の家庭科だったと思うのですが、最初の授業の時に、学校で購入を取り扱っていた裁縫箱の一式セットを買ったものの、お祖母ちゃんが使っていた道具が家にいくつもあったので、いかにも子どもっぽいセットの道具よりも、イカつくて職人ぽくて格好いいなと思い、それらを裁縫箱に色々と入れて持って行ったのです。
その中で、クラスメイトたちから「なにそれー?」と言われたのが、チョーク型のチャコでした。
みんなが鉛筆型の、頭にプラスチックの消しブラシが付いたチャコペンを使っている中、私だけがチョークのチャコを、しかも現在売っているような可愛いポップな感じの三角チャコではなく、色合いもシブい楕円形、下にリンクした昔ながらの「平和チャコ」だった気がします。
チャコ固形タイプ(日本紐釦貿易株式会社HPより)
みんなに珍しがられて、見られるうちに、なんだか恥ずかしくなってきてしまい、結局セット備品のチャコペンを使いました。
が、しばらくして、あのチョークチャコの使い心地の、何というか充実感というのか、あれは他の何にも替えられないな、と思うようになったのです。
コクヨから発売された『落葉を模した色鉛筆』の画像を見るうちに、そんなチョークチャコの記憶が、たいへんに、たいへんに懐かしく思い出されました。
チョークチャコを手で包んだあの感触は、もしかすると私の価値観の、原点の1つなのかもしれません。書き心地と手触りと重さと目と頭の中が全部ひと続きになっているようなものが。
軽すぎず重すぎず、硬すぎず柔らかすぎず、それでいて、ギュッとすると脆く崩れてしまいそうな感触が。
デザインした吉田峻晟さんは秋田公立美術大学大学院にご在籍だそうです。
製品はコクヨオンライン、楽天でも購入可能です。
散らかしたままでも美しい「落ち葉」のような色鉛筆を発売 (コクヨデザインアワード2023優秀賞受賞作品「落ち葉を模した色鉛筆」)