ゼロ泊2日弾丸撮影ツアー
一眼レフを買っていろいろ撮り、いろんな人達のいろんな写真を見ていると、ときどきちょっとした冒険をしたくなることがある。
「なるほど、○○にはこんなものがあって、こんな景色があるのか…。ってかそもそも○○には行ったことがないなぁ…。」
たとえば春、たとえば桜。
某鉄道会社のCMよろしく『そうだ弘前、行こう。』となった。
しかし相手は桜。ぼくは東京在住で、休日に行ってもきれいに咲いているとは限らない。とは言えせっかく行くんだから満開の桜を撮りたい。そこで思い浮かんだのが夜行バス。夜行バスだったらシゴトの後バスに乗り翌朝弘前に着き、日中桜を撮った後またバスに乗れば翌日はシゴトに行ける。1日だけ休みをもらえれば弘前へ行けるではないか!弘前には元カノがいる。さっそく連絡した。すると、
「いや、コッチ(弘前)の桜はGWあたりに咲くから、そんなムリしなくても大丈夫だと思うよ。」
思い立ったのが2015年。それならばとGWに行くことにしたが、2015年の弘前の桜は4月なかばには咲き始めGWを待たず散ってしまった。
かろうじて残っていたしだれ桜を撮ってきた。
2016年はなかなか気温が上がらなかったように記憶している。
五分咲き程度。
2017年になると元カノも使命を感じ始めたのか、桜が咲き始めると毎晩メッセージをくれた。「今日の気温は○°、○分咲き。明日の予想気温は○°。」五分咲き程度になったところで翌々日シゴトを休むことにし夜行バスのチケットをとった。
2017年4月26日、弘前公園の桜は満開だった。しかし、
雨である。
さいわい小降りではあったもののあまりカメラを出したまま持ち歩きたくないし、桜が撮りたくて来たわけだから他にやりたいこともない。
弘前公園内のお茶屋さんでコーヒーを飲みながらぼんやりしていた。
小雨の弘前公園は人もまばらで、お茶屋さんのベンチにいるのもぼく一人。
しばらくすると少し空が明るくなってきた。
公園内を散歩してみることにする。
せっかく来たんだ。桜は美しいではないか。
人が少ないのもぼく好みである。
日が暮れかけた頃、雨が止んだ。
西の堀を目指した。
いま見返すと凡庸ではあるけれど、3年かけてやっと撮れた一枚。
世の中が落ち着いたら、また行きたいと思う。
当時は撮ることにガツガツしていたけど、今はどうなんだろう。
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