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覗く世界

世界を覗くとしたらどんな窓から覗こうか。私のために切り取られた空間。その枠かあるからこそ、その向こうの世界が何か謎めいた場所になって存在している。
ふと気になる窓枠を見つけたら、そこに立ち止まってみて。しまいこんでた心の風景が静かに浮かび上がってくるから。

風景を観る

オリーブの丘でたたずむ午後。
聞こえない声が鳥たちのさえずりの向こうから聞こえはじめる。

ーこの世界にあなたは何をしに来たのー
  
   そうだね。
  美しいものを感じに来たのかな。

  風の匂いをかいで、
  樹々の緑を愛で
  光が揺れ動く感覚を味わい
  隠れ棲む小動物を覗きこんだり
  透き通る水の調べに耳をすまし
  時に手にとりその冷ややかさを
  肌で感じ
  それらの感覚を
  自分の中に落としこみ
  もう一方で空に打ち放し

 ー全部ここで今すぐにでもできることだよね。それにしては色々と人生複雑にしてきたよねー

 確かに。
 謎の課題というか、
 必然的現象というか。

ーそろそろほどいていくのも
     いいのでは?  ー

 色々と面倒な諸事がつきまとう日常。そんな事象の体験も、何かを日々紡ぎながら、気づかないうちにオリジナルタピストリーが出来てるような感覚もあるよ。
 偶然の縦糸と必然の横糸を絡めていくうちに織り上がっていくタピストリーだね。

ーじゃあストーリーを作りに来たの?ー

 確かにそんな感じもするね。織り込んでいる時は気づかないけど。ふと立ち止まって、自分の人生を風景のように眺めると、窓枠の向こうに見えてくるちょっと他人の自分のタピストリー。

ーまとめを抽象化するね。

 大いなるものの恵みをありがたく
      享受しながら
 たんたんと日々の課題を
       こなしていく

 主観と客観の交差する
  人という不思議な現象
   世界を捲き込む時間旅行
 
 


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