嘘と本当
私は彼にずっと本当のことを言えなかった事が1つだけあった。
ずっと心苦しくて、気持ちも晴れず、いつか言わなくてはと思いながら8ヶ月経とうとしていた。
もう言わないといけないタイミングと思い、伝えた事は、今住んで居る家の事だ。
今住んで居る家は10年前に元夫と購入した戸建て。
6年ほど前に離婚をした際に、その家を売りに出しておけば良かったのだが、どちらがどちらになどと揉めて決着がつがず、そのまま私は家を出たのでダブルで家の支払いをしていた。
そうこうしていると、2つの場所で住んで居ることになり、住民税の請求が2箇所からきたのだ。
一個人に対して住民税を支払う義務は一カ所でいいらしいのだが、住宅ローンの控除を実際受けている場合、その場所に住んで居る必要があると2つの区から言われ、なくなく控除を受けていた、元の家に戻らなくてはならなくなったのだ。きつい。戻りたくない。
私はその時お付き合いして居る彼がいたんだが、元夫との家に戻らなくてはかならない為、礼儀としちゃんとお別れをして家に戻りました。もちろんその時付き合っていた彼は納得が行くはずもなく、もめに、揉めたのを今でも覚えて居る。最悪だった。でも、間違ってなかったと思う。
元夫とはもうすでに離婚した6年前から終わっていたし、それはお互いわかっていた。私も白黒ハッキリするタイプなので、完全に割り切りで家を区切り、生活をしてきたのだ。全て別。ご飯も。当たり前だが部屋もだ。一切全てだ。ほぼ会話もない。早く出たい。
ちょうど2年前に住宅ローンの控除が終わった為、そろそろ家を出ようと思っていた最近、新しく彼ができたのだ。
この状況を理解してもらうにはまだ関係が浅かったのと、誤解を生む事が非常に怖く、1番私が嫌いな嘘をついてしまったのだ。
そんなこんなで8ヶ月近く経ち、本当の事を話したが、彼にちゃんと伝わって居るのかと今でも思っている。言い訳をすればするほど嘘っぽく聞こえてしまうのではないかとも思う。
性格的にこの初めについた嘘は苦しく、耐えられない程嫌だった。
一つの事に対し、嘘と本当とは紙一重で、文字の通り全く意味が異なってくる。
初めにきちんと伝えておくべきだったな。嘘は自分を苦しめるし相手も傷つける。良いことなんて一つもないのに。
その場の自分に、言い聞かせたい。
その家もようやく売却が決まり、財産分与も決着がついた。ようやく新しく私もスタート出来る。
私はようやく個になれたのかもしれない。
これからはもう今の彼と穏やかに過ごせますように。