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アニメを見ていて発生した医療安全を意識する出来事

医療安全管理者として安全を考える臨床工学技士のクッキングパパです。

30歳位から勉強が楽しいと感じ始めた僕ですが、アニメや漫画が子供の頃からずっと大好きです。
基本的に見るのが好きなだけのライトな部類だと自分では思っています(笑)
今回は最近見ていたアニメ「無職転生」という作品のお話です。

剣と魔法のファンタジーの世界に30代無職の男性が転生して人生をやり直すお話です。
30代のおじさんが赤ちゃんから始めるわけですからこんな事になります。

無職転生

完全に変態ですがただの変態では終わりません。
壮大なストーリーが展開されるわけですがその途中で不思議な現象が起きます。
空に謎の物体が現れるのです。

空の玉

アニメでは漫画と違い主人公と領主サウロス様が直接会話をするシーンになっています。
領主は「悪いものではない。」と言った後に「そう思うしかないだろう。」と言っていました。
結果どうなるかというと…

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未曽有の大災害の発生です。
ネタばれになりますが建物は崩壊していますが人は亡くなったり、はるか彼方に転移させられたりします。主人公も遠い別の大陸に飛ばされて家族と離れ離れになります。
この事件は解決しようと動いた謎の勢力や、非常に強い力をもつキャラクターが気にしてはいますが防ぐことは出来ませんでした。
ある意味、領主の『どうにも出来ない物を諦めて悪いものではないと考える』のは正しい行動と言えますが最終的に責任を問われて処刑されてしまいます。

これは物語の中の話ですが現実の世界でも似たような事は発生しています。
2003年に韓国で発生した地下鉄放火事件です。

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この写真は事件当日の実際の写真です。
火災で煙が充満する中で逃げずに普通に座っています
乗務員の対応や避難誘導などに大きな不手際があった事で被害が拡大し乗客など192人が死亡し148人が負傷する大惨事となりました。😥
この時の写真の人たちに起きているのは「正常性バイアス」というものが働いています。「自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性」のことです。
この場合だと人が大勢いますから「多数派同調バイアス」(集団同調性バイアス)というどうして良いか分からない時、ほかの人と同じ行動を取ることで乗り越えてきた経験、つまり迷ったときは周囲の人の動きを探りながら同じ行動をとることが安全と考える力も働いていると思われます。

先ほどの領主も韓国の当時地下鉄に乗っていた方々にもまさに正常性バイアスが働いています。
東日本大震災でも津波で亡くなった方の多くが「自分のいる場所が安全だ」と思い込み、避難しないまま津波で亡くなったことがわかっています。

最近は大きな地震に慣れてしまったと感じる事があります。多少揺れが強かったり長くても『あの時ほどじゃない。すぐに終わるだろう。』と考えてしまいます。
病院での業務でも『また以前起きたあれかな?』と考えて過小評価しがちだと感じることがあります。(幸いなことに大概はその通りですが。)
具体的には透析中に患者さんの調子が悪くなった時の対応や、血液透析で血液を返した後に残血がある(キレイに血を返せない)という事がわりとよく起こります。重大な事象を見逃さないように気を引き締めたいと思います。😁

今回のアニメを見て正常性バイアスを意識するよい機会になったと感じました。
皆さんも目の前で起きた出来事に『またあれか。』と思うと同時に『本当にそうかな?』と少し考えて頂いて悪い結果を避けられる切っ掛けになれば幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございました😊

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