母親になりたい人へ

「いい歯のために」
これって、物心ついてから本人ができることもあるだろうけど、根本的には母親自身の食生活と子どもの歯や健康に対する考え方が一番大事、これに尽きると思う。

私の家は裕福ではなかった。母の実家が農家だったこともあり、母が妊娠中は煮物や漬物、佃煮といったおかずとご飯で身体を作っていたんだと思う。牛乳もあまり飲む習慣がなかった世代だ。それでも、私たち兄弟は3人とも、1,2本虫歯になることもあったが、それでも歯は丈夫に育った。
私たちの子どもの頃の食生活は、母の時代からは良くなったものの、今ほど食べ物の種類が多くなかった時代だ。家では必ず漬物が出され、朝や土日の昼は煮物や佃煮、納豆、卵、ノリ、ふりかけ、しらす、ジャコなどをおかずにご飯を食べた。夕飯はたまにお刺身、コロッケ、あじのフライ、唐揚げ、レトルトのハンバーグ。出始めの加工食品がスーパーマーケットに並び始めたころだったのかもしれない。魚肉ソーセージ、赤いウインナーなど、食品添加物を使った味のついた肉や魚の加工食品が食卓に並ぶこともあった。
学校では給食があり、低学年の頃はまだ脱脂粉乳をアルミの食器で飲んでいた。ちょっとココアのような色が混ざっていて少し甘かったように記憶している。あれはココアだったのだろうか?高学年になって牛乳が出るようになった。中学も同じ給食だった。

そんな食生活を送って大人になったのだが、今考えると、レトルトや加工食品は結構食べていたものの、母のお腹にいた時からの質素で日本的な食事が私の歯を丈夫にしたんだろうと思う。歯並びも良い方で、小さい時から割と固いものを食べさせられていたため、あごが発達した結果なのだと思う。

自分が妊娠した時は、当時はマタニティ雑誌なども複数発売されていて、それを読んで食事に気を付けるようになった。子どもの永久歯は母親のおなかにいる時から作られるという内容を読んだ記憶がある。カルシウムを取らないと出産後に歯がボロボロになるとか、赤ちゃんのために普段よりも多めにとるようにと書かれていたので、意識して摂るようにしていた。牛乳はそんなにたくさん飲めないので、小魚と鰹節などを醤油とみりんで和えたものをご飯に乗せて食べるとか、豆腐・納豆などの大豆製品や小松菜を食べるなどしていた。

そうして生まれた子どもが3人いるが、全員歯は丈夫で虫歯も少ない。歯並びも良い方だ。

保育士試験の受験勉強中、「子どもの保健」の科目でびっくりしたことだが、日本人の必要栄養素としては、妊娠期にカルシウムを増量する必要はないとのことだった。「え?多めに摂らないといけないでしょ??」と思って調べてみた。どうゆうことかというと、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、実は大人の女性では、食事摂取基準の半分強くらいしかカルシウムを摂取できていないということだった。つまり、摂取基準をクリアしていれば妊娠中も問題無いということなのだ。でも、現実にはそれができていない人が多いということらしい。因みに、赤ちゃんの歯は、乳歯だけでなく永久歯も妊娠中に作られるということも、「子どもの保健」で再認識できた。

私の場合は、歯や骨が比較的強い両親からの遺伝によるものかもしれない。でも、食べなければ成長もしないし、生きることもできない。身体は食べものでできることは間違いない事実だ。妊娠中は自分の食べたものが赤ちゃんを作るのだ。

もちろん、普通に食事ができるようになってからは、今度はその子が食べるものに作られていく。子どもの食べるものは親が用意することが普通だと思うので、やはり親が気を付けて必要な栄養素を十分摂れるように考えて用意してあげる。今は両親が仕事で子どもの食事はコンビニやスーパーの弁当やレトルトも多いかもしれないけど、野菜多めの物を選ぶとか、ヨーグルトを追加するなどして、栄養バランスを考えてあげて欲しい。

これから子どもを持ちたいと思っている人は、自分が食べるものが子どもの身体を作るのだということをしっかり頭に入れて食べるものを選んで欲しい。いくら良いと言われるものでもたくさんいろんなものを食べることはできないのだから、必要なものを必要な分だけは必ず摂取するようにして欲しい。

妊娠がわかってからでも遅くはない。成長してから子どもの歯の治療をしたり矯正に長い時間を掛けることを考えたら、生まれる前から丈夫な歯を作るため自分の食生活を見直すところから気を付けて欲しい。そして妊娠中だけでなく産後も、母乳で育てようと思う人は必要な量のカルシウムを摂るようして欲しい。生まれてくる子どもの歯の健康は、妊娠中の母親の食生活に左右されるのだから。

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