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ウメハラの「最強議論」批評シリーズ①:サーベルタイガーはなぜ「最強」たりえたか?

 このシリーズは、ウメハラの「最強議論」について、「属性最強議論」を中心として、議論を深めることを目的としたものです。
 格ゲーの話は一切しませんので悪しからず。


1.知的競争としての「最強論」

 ウメハラが「サーベルタイガー最強論者」であり、「斧最強論者」であることは、その筋の人々にはよく知られている話である。
 男の子ならば誰しもこうした「最強」に一家言あるものである。殊に、常に競争の中に身を置くトッププロ格ゲーマーともなれば、なおさらである。雑談配信ですらしばしば「最強」が話題に上り、議論が交わされている。
 この手の議論は、まず前提を確認して共有するところから始めなければ、議論が空回りするものである。ただ、ウメハラの配信の中では、大抵雑談の中から発展するものなので、そういうこまけぇことは置いといて、ある種の知的競争心を闘わせるエンタメとしての「論戦」をフランクに楽しんでいるに過ぎない。それにしても、ウメハラの配信では、雑談ですら身体が闘争を求めるのである。人間とは、そうした因業を背負っているのかもしれない。

2.ウメハラの「すべらない話」

 さて、「サーベルタイガー最強説」は、ウメハラの代表的な「すべらない話」のひとつである。もちろん面白おかしく紹介をしてはいるが、ウメハラはそれなりに学術的背景のある知見に基づき、大真面目に話を進めている。また、いくつかの学説の中のひとつであることも断っており、雑談ベースとはいえ最低限の作法は守られている。

 ちなみに僕はゲレゲレ派です。

 さて一応、念を押しておくが、これは真面目な議論である。当然ウメハラも大真面目である。この種の議論をヘラヘラしながらウケをいただこうなどと、そのような軽薄な魂胆ほど寒いものはない。大真面目に、知的に、ガチでやるからこそ面白いのである。この点は是非、心していただきたい。

3.「最強議論」において重要なこと

 ここで重要なのは、ウメハラの支持する「サーベルタイガー最強説」が、「その時代には非常に背の高い草が生い茂っており、筋力は強いが足の遅いサーベルタイガーが身を隠すのに適した環境であった」という背景を踏まえたものであるという点である。
 サーベルタイガー自体の攻撃力はもちろん強い。基本的に「パツイチ」である。しかし、その攻撃力を最大限に発揮できる環境があった、という背景が、この「サーベルタイガー最強論」を支えるものになっている点には注意をしておきたい。その学説によれば、寒冷期に長い草が伸びなくなり、環境ナーフが起こると、サーベルタイガーは飢え、衰退せざるを得なくなったという。ことほど左様に「最強議論」とは、時代・環境・背景といった前提によって、その結果が左右されるものなのである。強いだけでは「最強」たりえない。
 なお、前掲の動画では「メガロドン最強説」にも触れられている。最強のたどり着く先が孤独であり、破滅であることは非常に示唆に富むエピソードと言えよう。
 また、古生物ではなく現在の動物については以下のようなものもある。

4.今回のまとめ

 今回は、「最強議論」において重要なことは前提条件である、という事例のひとつを紹介するにとどめる。ウメハラの「最強議論」には、この他にも「斧最強説」や「風属性最強説」がある。次の記事では「斧最強説」を取り上げる予定である。そして。本丸の「風属性最強説」、「属性最強議論」に議論を進めていきたい。長くなるぞ。

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