ヘンシーン
70年代を懐古する本は、必ず「変身ブーム」に触れているが、実際に著者が変身ブームに興味を持っていたかどうか?は、すぐにわかる。
「ヘンシーン!というかけ声と共に主人公が仮面ライダーに変身するシーンが目に焼き付いている」
と書いてあるのは、もちろん当時、変身ブームに無関心だった人だ。
仮面ライダーは
「ヘンシーン!」
というイントネーションで「変身」を叫ばない。
「変身」はあくまで「ヘンシン」と発音するのであって「ヘンシーン」と伸ばすことはない。
これは当時から、実際に番組を見ずにブームを語る大人が書く文章によく見られた誤ちだ。
「ヘンシーン!」の他に「ヘーンシーン!」という書き方もあり、子供の我々は
「おっさん、どこで聞いたんや?」
とバカにしたものだ。
カタカナ表記に蔑み目線も感じたし
「変身ブームは、サラリーマンの逃避願望の若年化」
などとしたり顔で書く記事も腹が立った。