本当は「スターウォーズ」はヒットしてない説
「スターウォーズ」は全米で大ヒットを記録して、全ての興行記録を塗り替えたのだが、なぜ、こうした作品が支持されたのか?は分析出来なかった。SFやそれに準じた映画は、特定の観客にしかアピールしない分野であったし、純粋な活劇も求められている時期ではなかったからだ。
映画を作った本人であるジョージ・ルーカスも興行に自信が持てず、絶望に備えてハワイに逃亡していたという。
「スターウォーズ」の成功の理由は
「ニューシネマに対する反動」
「観客の幼児化」
「レトロ趣味」
などが考えられたが、あれだけの爆発的ヒットに結びつく要素には思えなかった。
そこで囁かれたのが
「本当は「スターウォーズ」はヒットしていなかった説」
である。
実は公開当初は、どの劇場もガラガラ。製作費の回収まで危ぶまれたため、20世紀フォックスが「信じられないほど大ヒットしている」というフェイクニュースを流したというのだ。
劇場前にサクラを並ばせて写真に撮り、社会現象化を狙い大手の新聞の目立つ面に掲載させた。またテレビのニュースでも取り上げるように大盛況に沸く劇場風景を撮影。予算の関係で同じサクラが何回も出てくる不自然さは、「俺はもう何回も見た」というセリフで乗り切った。
(この際、偽の興行収入として報道された金額は、実際の1万倍だったとされる)
フェイクニュースに煽動された若者らが、実際にはヒットしていない映画を見るために映画館に列をなすようになるには3週間ほどを要したが、この作戦は予想以上に成功した。
主要映画館内に配置された「盛り上げ係」のスタッフが、必要以上に騒いで観客に実情を超えた興奮を与えるという集団心理を利用した第二作戦もあり「スターウォーズ」は、作品的にも傑出したものと認められ、ついに「ジョーズ」の記録をも抜いていったのである……
こうして評価と無関係に観客を踊らせ、作品を興行的成功に導くメディア戦略は、常に成功するわけではない。映画製作者とメディアが密接に関係し合い高度な共謀を形成さなければならないのだ。
よって以後の作品で大きく成功した例は「サタデーナイト・フィーバー」しかないとされる。