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甲府事件とピーナッツ

甲府の二少年がUFOから降りてきた宇宙人と遭遇した所謂「甲府事件」は、本年が49周年ということで、地元では記念講演会が開催されるなど、ささやかに盛り上がりをみせたらしい。
何故来年の50周年ではなく「49年」という中途半端な数字を祝うのか?は不明だが、UFO界隈では「49」という数字に特別な意味があるのかもしれない。

宇宙人との遭遇事件は、我が国でもいくつか例があるようだが、この甲府事件が最も知られている。
それは、事件発生時、テレビや雑誌が取り上げる機会が多かったからだろう。

甲府事件が起きたのは、1975年2月23日だが、その前後には大きな事件は発生していない。
記録されている同月の「大事件」は、1週間前の「ザ・ピーナッツ引退表明」ぐらいしかない。
ピーナッツの引退は、後のキャンディーズのように人気がある中での引退ではなく、ヒット曲に恵まれなくなっての衰退引退であるから、これは社会的大事件とはいえない。
つまり、1975年2月はニュースの空白期だったのである。
故に甲府事件は、必要以上に取り上げられ、また比較される社会的事件がなかったことで、人々の記憶にも残ったのではないだろうか?

もしこの時、ザ・ピーナッツの引退が「人気絶頂期の発表」であったなら、テレビ、新聞、雑誌の報道はこれに集中し、甲府事件のメディア露出は激減していたかもしれない。

甲府事件が今なお語られる怪事件となったのは、ザ・ピーナッツの衰退のおかげとも言えるわけだ。



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