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ASDとして上手に生きるコツ

ASDは、100人に1人と言われている。子どもの頃は、発達障害の影響をあまり感じないが、社会人になり、社会生活や複雑な人間関係における困難にぶつかってしまうなかで、自身の違和感に気づくようになるパターンが多いのが現状である。
不器用で、コミュニケーションが苦手な傾向がある。さらに、出世等に興味を示さないために、会社という組織に馴染めず、どんなに頑張っても成果として形に表れないことに、生きづらさを感じることもある。
他方で、長所もある。「興味関心のあるものに対する強いこだわり」「地味で単純な作業」「規則性を好む」「要点を押さえ、分かりやすく内容を伝える」等が、生き方を工夫するだけで力を発揮できる。


①コミュニケーション

ASDの方にはコミュニケーションが苦手な方が多いが、社会人生活をするうえで、どの場面でも、どこに行っても、欠かせないツールになる。工夫をすることで、苦手でなくなることもある。
・声のボリュームは小さめで相手と会話する癖をつける
・一度聞き役に徹して、相手の伝えたいことを理解する
・最後まで相手の話を聞いて、話の途中で口を挟まない
・思ったことをすぐに口には出さずに、相づちを活用

特に、仕事の場面でのコミュニケーションは、「発信」よりも「受信」が最も大切である。相手から伝えられた内容に対してメモを取る、確認の意味合いで、復唱をして反復化させる、情報は必要最小限に留める、といったことが、ASDの方には大切な要素になる。
あと、マニュアル外の業務になりそうな時は、それがなぜ必要なのかを情報共有を行うことで、納得がいかないといったことにはならない。
ミスが出た時は、何故発生しやすいのかを具体的に述べて、ミスがなくなる方法を伝えることも大切である。

②スケジュール

予想外の出来事が起こると、すぐにパニックになり、嫌になる傾向がある。ASDの方がイレギュラーに対応するためには、以下のことが必要である。
・まずは、最終的なゴール(目標)を設定する
・ゴールに向かう過程で、「いつ何を行い、いつ終わらせるか」といった計画を立てるが、細かい時間まで、ビッチビチに計画は立てず、だいたいのアウトラインで計画を立てる
・困ったら、進捗状況を一旦確認を行い、メモを取りながら整理を行い、再度計画を見直す
・1日ずつ、1週間ずつといった短いスパンで計画を立てる
・タイマーの活用も

③お金の使い方

ASDの特性でもある「こだわりの強さ」から、支障が出ることがある。
・特定のもので、高価であろうと、何も深く考えずにすぐに買ってしまう
・借金してでも、こだわりのアイテムが欲しいと思うと、それを買ってしまう。そして、積み重なり、とんでもない借金の額になることも
・他方で、節約や貯金に異常にこだわり、お金に執着してしまう
・あと、素直な性格から、詐欺の言葉に騙されることも
上記の事柄で、お金の管理に失敗してしまう。

「お金の管理」という言葉を聞くと、一般の皆さんがまず思い浮かべるのが、「家計簿をつける」だと思う。
しかし、上手にお金を管理するうえで、家計簿による収支の把握は、全く意味がない。なぜなら、ASDの特性を考えると、使ってしまったことそのものに対し、罪悪感を抱くようになり、我々が生きていくうえで必要な食費にまでお金を使わなくなるため、こうなれば、命の危険に関わる。

お金を使って生活するうえで大事なことは、ASDの場合は、「シンプルイズベスト」に対してこだわりを強く持つことである。
着る服一つにとっても、カラフルに着こなす人もいるが、外出して恥ずかしくない格好にするために、アイテムがたくさん必要になる。そして、意外と支出が増えていく。
ホワイト・ブラック・グレーといったモノトーンの着こなしにこだわりを持つことで、1人当たり最低2〜3着内のアイテムだけで着回しが出来る。当然ながら、服代も安く済むし、リユースショップに行けば、シンプルかつおしゃれな服が一着500円で売ってたりする。靴やバックもむちゃくちゃ安い。

そして、食べ物も安くて栄養のある食材が、今スーパーに行けば多いので、金をかけずに自炊を楽しむことにこだわりを持つことで、少ない支出で満足にお腹を満たすことが出来る。
一般の皆さんがよく食べる味噌汁は、ほとんどの具材を組み合わせても、手軽においしく食べられる。

あと、ストレスを貯めないために、手軽な運動も欠かさずに行うことで、リフレッシュとなり、衝動買いも防げる。

④お仕事に関して

・マルチタスクよりシングルタスク
・変化の少ない職業
・ルールに忠実で、1人で黙々と作業をこなすという点で軽作業の派遣がおすすめ
・組織に馴染めずに、出世も嫌いと考えると、派遣とフリーランスのような、柔軟で、自分のペースで働くやり方
・接客や体育会系の職場を避ける
・職場での噂や陰口、嘘は当たり前
・上司や同僚の意見に耳を傾け、携わる職場が目指していることに対し、理解を示す

職場では、相手の話を聞く習慣を身につけて、周りの気づきを受け入れる。
実生活では、シンプルイズベストにこだわる。
ASDの場合は、これだけでだいぶ生きやすくなる。






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ナオケン
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