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【アクアノートのベルト事情など】パテックのオーバーホールなどに関して聞いてきました【見積もりキャンセル料金!?】


1月末に撤退となった私の担当(と言うのか)である百貨店のパテック正規店。


幸運にもその後別の正規店にて実績を引き継げることになったので、5172Gのベルト交換の相談がてらご挨拶に伺ってきました。


5172Gも購入して約2年半経過して、まだまだ先の話になりますが気になるオーバーホール(以下OH)に関して伺ってみたら興味深い話がいっぱい聞けたのでまとめてみました。


とはいえOHなりお店の対応というのは状況によって変化するものだと思うので話半分くらいに聞いていただけるといいかもしれません…!


個人的なオーバーホール事情


時計を好きになってから10年以上経ちますがまだ一度も時計をOHに出したことがありません。


というのも今までOHすることなく売却していたので…。こういう方、意外と多いのでは…と思いますがどうなのでしょう。


私が持っているIWCは購入からもう9年ほど経っているのでOHのタイミングはとうに超えているのですが超快適に動いているのでためらわれます。さすがに10年超えたら出さないとダメでしょうね…。


パテックのOH料金やこぼれ話



ここでHPの料金を見てみます。


【サービス費用は、想像するほど高価ではありません。】と記載されていますが実際は…?


パテックHPの料金記載は日本円ではなくスイスフランでの表示。ちょっとわかりづらいのでパテックの正規メンテナンス受付窓口でいらっしゃる「スフィア パテック フィリップ ブティック 東京」さんのページから引用させていただきます。



クォーツで約10万円。なかなかお高い。


気になってロレックスのOH料金を調べてみたらデイトナで88,000円、GMTマスターで77,000円。(値上がっている可能性あり)


さすがパテックというか、クォーツの基本料金でロレックスの機械式時計を上回ってきます。


さらにロレックスはOHにポリッシュ(研磨)がセットで含まれますが(拒否も可)パテックの場合は別料金。



ケースとブレスレットを研磨すると88,000円。デイトナのOH料金ですね…。


ここの注意書きで「状態によりケース修理を別途ご提案する場合がございます」と記載されていますね。


似たようなニュアンスの質問で「ケースを新品に交換できるんでしょうか?」と担当の方に聞いたら


「ケースの交換はよっぽどひどい状態(ねじ曲がっている、壊れている等)になっていないと受け付けられない」と仰ってました。


「できるだけ今の時計を愛着持って使ってほしい」とのことですが、綺麗にして売られる転売防止も兼ねているのでしょうか。


私の質問で怪しまれたかもしれません。

リクエストにより

まさかOHでもこの言葉を見るとは思いませんでした。


少なくともスフィアさんの「コンプリケーション3」の料金・40万円以上なのは確定。


トゥールビヨンやミニット・リピーターはとんでもなく複雑で手間がかかると思うのでとんでもない金額なんでしょう…。


以前「パテック・フィリップ ウォッチアート・グランド・エキシビション 東京2023」にお邪魔したときにミニット・リピーターの聴き比べをさせて頂きましたが、その並々ならぬ拘りに驚きました。そりゃ金額も高くなりますよね…。

かなり昔のモデルはオーバーホールが数百万かかることも

「永久修理」を謳っているパテック。どんなに古い時計でも修理してくれますがその金額はすごいことになることもあるそう。


直接担当をしたわけではないですが…との前置きから


「とあるご家族が祖父の遺品整理で出てきた時計の修理見積にいらっしゃったことがありまして。その金額が数百万円かかると聞き大層驚愕されて泣く泣く諦められた、ということがありました。」


なんでそんな高くなるのか、と聞いたところ「昔の部品で代替がきかないものは金型から作らなくてはいけないので…」と。


その時計のためだけに金型…。


OHで数百万と言われたらそりゃ驚きますよね。

見積もりに数か月から1年以上かかることも

パテックフィリップのメンテナンスは基本的に事前見積もりが必要で、スイス本社に見積もりを出す場合は数週間以上かかることも。


その後、正式にメンテナンスの依頼をしてから、通常モデルであれば検査や修理に要する期間はおよそ6〜12週間とのこと(前後あり)。


見積もりからメンテナンスの完了までトータルで数か月以上期間を要するので、余裕を持って依頼する必要がありますが、特殊なモデルや古いモデルはかなり時間がかかる場合があり「まだか」とせっつくこともままあります、と。


忘れたころにようやく見積もりが来ることも…。極上の精密機械なだけにいろいろ時間がかかるのですね。

オーバーホールはどのくらいの頻度で行ったらいいのか

ブランドでは5年前後が推奨されており、ぴったり5年で依頼をする人もいるけど大体は不具合が起きた時に相談しに来る人が多いとのこと。


ただずっと調子が悪い状態で放置しておくとオーバーホール費用がかさむ可能性があるので、気になったらする相談してほしいと仰ってました。


そうなると一番早い5172Gは2021年購入なので2026年…。


まだ少し先ですがあっという間にやってきそう。

OHするなら正規店に

正規店に頼んだ場合は当然、純正の部品を使ってメンテナンスされますがそうではない場所でメンテナンスを行った場合、純正部品ではないものを使用される可能性があります。


そういった純正部品以外を使っている時計はOHを断ると。どんなブランドでもそうだと思いますが。


担当の方は「数は多くないがお断りしたこともございます」と仰ってました。


勝手なイメージですがパテックを使っている方はOHは正規店に頼む方がほとんどだと思ってましたがそうではない方もいるのですね…。


私はOHするとしたら間違いなく正規店に頼みます。

見積もりキャンセル料金

これ、公式HPにはなかったのですがスフィアさんのページにはこのような記載がありました。



複雑機構の時計はパーツ数も尋常じゃなく中身開けて劣化具合調べたりとかなりの時間と労力使うのでそりゃそうですよね、と。そう考えると安いとすら思えてきます。


上で記載した数百万のOH料金で断念したご家族もキャンセル料金払った、ということなんですかね…?


キャンセル料金があるなら事前に案内は絶対あるはずなので…。


私が伺った時にはキャンセル料金という言葉は出てこなかったので今度伺った際には聞いてみたいと思います。


アクアノートのベルト事情


正規店に伺った時にアクアノートトラベルタイムをしていったのですが、そこでベルトに関する最新情報(?)を聞きました。


トラベルタイムはラバーベルト(正式名称はトロピカルバンド)しかないのでステンレスベルトに交換は不可、というのはもちろん知っていました。



同じくラバーベルトのアクアノート5167A-001もステンレスベルトに付け替えはできない。


ただ、ステンレスベルトである5167/1A001は頼めばラバーベルトに付け替え可と認識していたのですが「今はもうできない」と。


それだと(もしオーダーできるとしたら)かなり悩みそう…。


ちなみに人気はステンレスベルトの方が上のようです。


同様にアクアノートのラバーベルトも純正の色以外は変更できません。


トラベルタイムに5168Gのカーキベルトを着ける、などは不可。


これできるようになったらめちゃくちゃいいと思うのでいつかできるようになって…!


まとめ


非常に興味深い話を伺えて大満足の訪問でした。


自分の好きな時計を長く愛用するためのメンテナンス、OHはとても重要だと改めて感じました。


少しでも気になるところがある場合はすぐ相談に行った方がいいですね!


ちなみに元々は5172Gのベルト交換の相談で伺ったのですが「とても綺麗なので換える必要ないのでは」ということで何もせず帰ってきました。


ただ雑談をして帰ってくるという…。貴重なお話ありがとうございました!


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