【がん患者の徒然草】難聴と耳鳴りが辛い方へ「耳寄りな話し」があります。
【お試しにPDFもダウンロードできるようにしてみました】
今夜も自室に引きこもっている。
抗がん剤の副作用による難聴と耳鳴りのためにテレビを観ても言葉がうまく聞き取れない。
気がつけば、字幕付きのビデオ映画を観ている時間が多くなった。
さらに家族との会話もだんだんストレスに感じ、自室で静かに過ごすことが多くなった。
私は、2023年4月に中咽頭がんを患った。5月から抗がん剤や放射線治療の標準治療を受けた。7月末に一旦治療を終えたが、抗がん剤の副作用で高音部が難聴になり、併せてキーンという耳鳴りが続くことになった。
まもなく標準治療を終えてから1年半が過ぎようとている。日常会話もままならない難聴と24時間キーンとう耳鳴りに日々悩まされている。
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中咽頭がんの主治医は、「残念ですが、抗がん剤に伴う難聴と耳鳴りの完治は難しいですね」と論もホロロである。
私は、難聴と耳鳴りの原因は別物だと思っていた。またがんの再発や転移がいつかあるのだろうと怯えていた。そして、改善できない難聴と耳鳴りに耐えながら生活するというストレスで鬱になりかけていた。いや、既に鬱状態だったのかも知れない。
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Webでいろいろ調べている時に「血行を良くすれば耳鳴りは治せます。是非、当院へ」という広告が目にとまった。そして、近くの○○鍼灸院に数ヶ月通ってみたが、毎回体をなぜるようなマッサージとお決まりの低周波マッサージの繰り返しである。1回、4千円程度かかるので、数万円を掛けてみたが、改善は見られなかった。
結局、自宅で美顔ローラーやツボマッサージ道具で肩こりや首こりを自分でマッサージしながらの毎日が続いた。夕食後は、相変わらず自室で過ごしている。
がん治療後の定期検査で通院していたある日、看護師さんが「近くに難聴や耳鳴りに効果がありそうな整体院があるわよ」とこっそり教えてくれた。
自宅の最寄り駅から二つ目の駅にある「△△△整体院」である。私は、ワラにもすがる気持ちですぐに予約した。
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「△△△整体院」は、マンションの一室で開業している小さな整体院だった。本を出したり、○○大会で優勝したりしているらしい。また院内には、○○新聞や書籍で紹介されているとの広告が目に入る。
何だか、ちょっと怪しいぞ〜
しかも、1回、1万円だという。ますます怪しい。どうしようかと考えたが、他に手段が無いので数回治療を受けてみることにした。
30分位のマッサージ施術の後で「枕を変えた方が良い」とか「○○の部分を温めた方が良い」とかのアドバイスをくれる。今後は、10回程度で効果が出てくるという。
えっ〜、と言うことは、約10万円かかるということだ。
これは益々怪しい。もし効果が出なかったら返金してくれるのか? 「△△△整体院」のWeb広告では、「改善しなかったら全額返金します」と書かれている。
しかし、この手の返金条件は、「あなたが指導通りにやらなかったからですよ」というのが前提だ。私は、この屁理屈を理解できる。
なぜなら、私は人財育成のコンサルをやっていたので、「必ずあなたをスキルアップさせます」と言っていた。その前提条件が「指導通りにやってくださいね」だからである。
人財育成コンサルをやっていた私は、こう考えた。
問題は、この整体院が信用できるか否かではない。私の難聴や耳鳴りが改善できるか否かだ。
と考えることにした。
では具体的にどうするのか?コンサルとしての基本的指導は、「その問題に関してどれだけ調べているか」だ。つまり、耳鳴りや難聴を自分で理解しているかだ。正直なところ理解不足なのでYouTube等で調べてみることにした。
いゃ〜、YouTubeには怪しい方々がいっぱいいる。しかもYouTubeでキーワードを検索すると次から次へと類似の動画が表示されるのでびっくりする。十数本ばかしチェックして、一応信頼できそうな動画を見つけた。信頼できると言うより、この動画は、説明も上手で私には分かりやすかった。
※日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 総会・学術講演会市民公開講座
テーマ:「耳の悩みを解決します」https://www.youtube.com/watch?v=TwFsp8uu3yY
この動画で理解できたことは、次の通り。
難聴があるから耳鳴りがする。つまり難聴と耳鳴りは、別物では無かった。
脳が、難聴をカバーしようとするので耳鳴りがする。難聴は、加齢と共にだれにでも訪れる。また抗がん剤に伴う難聴は、細胞が壊れているので基本的には、完治は困難である。受け入れるしかない。漢方薬や温湿布およびマッサージなどで血行をよくすることで一時的に良くなることはある。また難聴は、補聴器などで改善することができる。
耳鳴りは、脳が起こしている不調症状なので脳をコントロールすることで「耳鳴りが気にならなくなる程度」に改善できる。
人間は、ある程度耳鳴りがするものなので耳鳴りを完治することは難しい。私は、これらのことを理解した上で次の取組みが効果的であると理解した。
耳鳴りを不安がらない。受け入れることで耳鳴りを軽く感じることができる。耳鳴りを完治することではなく「耳鳴りが気にならなくなること」をゴールにする。
耳鳴りと共存するつもりで取り組むのが最善である。
(1)注意脳を操る。
脳は、楽しいことが続けば、耳鳴りを軽くしてくれる。耳鳴りが辛いと考え過ぎない。耳鳴りを忘れられるような楽しい思考を取り入れる。また運動、趣味、仕事などもワクワクと行動すると良い。
但し、ゲームをやり過ぎたり、YouTubeを見すぎたりすることは、脳が疲れるので逆効果である。 今迄の私は、テレビを観る代わりにYouTubeを長時間見すぎていた・・・
(2)聴覚脳を鍛える。
治療音を聞く。ホワイトノイズ、自然の音などを大きすぎない程度で聞き流す。治療音で耳鳴りが軽減されることもある。いずれ補聴器を使うことを検討してみよう。しかし、両耳に終日付けていないと効果が無いらしい。これは辛そうだな。
(3)感情脳で脳を癒やす。
良い睡眠と休息をとる。脳をリラックスさせる。まず快眠できそうな枕を購入することにした。「△△△整体院」からは、バスタオル等を活用した低めの方が良いと言うことと、ちょっと固めのタイプを奨められた。
更にマイナス思考が改善を邪魔することがあるので常にプラス思考でいよう。これは私の得意分野だから心配ない。
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「△△△整体院」に通うことを機に難聴や耳鳴りを自分なりに調べて見た。そして、「△△△整体院」からマッサージを受けることや改善のやり方を教えてもらって、
”自分で改善する”姿勢で取り組むことが最も大切である。これこそ効果的な対策であると気がついた。
数年前に読んだ「経営のコツここなりと気づいた価値は百万両」という松下幸之助の著書で学んだことを再認識した。
賢い私は、「△△△整体院」に支払う額は数万円になるが”自分で改善する”姿勢で取り組むことで必ず成果を出そうと決めた。
そうだ、これなら鬱から脱出できるかも?
でも「熱しやすくて冷めやすい」AB型の私だから、いつまで続けられるかは、わからないが、今日の気持ちは晴れ晴れしい。
何よりも何だか楽しくなってきたことは事実だ。
看護師さんからの情報は、やっぱり役立つな。本当は、安易な情報を患者に教えてはいけないのかも知れないけど・・・
ありがとう看護師さん!