30/90
地球というこの惑星に棲みついてもう30年も経とうとしているだなんて信じられない。
私は一体いつまで此処に居るつもりなのだろうか。
時計のように刻むこの胸の鼓動は一体いつまで続いてくれるのだろうか。
三十路か…
結構生きたような感じもするし、
まだまだこれからな感じもする。
結構大人になった感じもするし、
まだまだ幼いような感じもする。
何もかもを正の感情で包み込んで笑みがこぼれる時もあれば、
何もかもを負の感情の渦に巻き込んで涙がこぼれる時もある。
自らの青さを少しずつ減らしていきながらも、今のこの青い自分を完全に失いたくはないと思う。誕生日を迎えられることが嬉しくもあり、
誕生日を迎えてしまうことが怖くもある。
30歳というひとつの節目とも言える歳に差し掛かろうとしている今、私という容れ物の中で様々な相反するものたちが交錯し暴れ回っている。
とても騒がしい。こりゃ前夜祭だ。
もっと大人に成りたいし、もっと子供で在りたい。
色んな矛盾でいっぱいになったこの容れ物は、今にも爆発してしまいそうだ。
2021年11月19日金曜日。ちょうど3年前の誕生日の夜、私は映画館で『tick,tick…BOOM!』という映画を観ていた。
大好きなミュージカル『RENT』を生んだ作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝ミュージカルをタイトルそのままで映画化したもので、物語はジョナサンがもうすぐ30歳の誕生日を迎えようとしているころから始まる。作中一番初めに歌われる曲、いわゆるオープニングナンバーが『30/90』という曲。90年間の人生だとしてそのうちの30年。という意味だ。
30/90って、まだ?もう?
30歳を目前にした彼は、焦りや不安、恐れといった感情を詰め込んだこの曲で"落ち着け 慌てるな 抵抗しても無駄だ""これは特別な誕生日だ""29歳のままでいたい"などと歌っている。
映画を観た当時27歳になりたての私はこの曲を聴いて、30歳になるときに絶対もう一度この映画を観るのだと心に決めていた。
というわけで今年は、29歳の私というより30歳の私というより、"30歳の誕生日を迎える29歳の私"を感情ごと全て大切に記憶したいと思っている。
30歳の誕生日を迎える瞬間を、ちょうど3年前の私の誕生日にNetflixで世界配信が開始されたこの思い入れのある映画とともに味わいたいのだ。
ジョナサン・ラーソンに共感だなんて言うとなんだかとても烏滸がましい感じがするが、今こそ時時空を超えて、作品を通して、彼と共鳴できるような気がしている。
只今、2024年11月18日23時30分。
カウントダウンが始まる。
いざNetflixへ!
いってきます。
❤︎最後まで読んでくださりありがとうございます。
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