小谷の裏話④専門学校時代…自信喪失

専門学校の入試は面接と作品提出のみだった。

面接の際、私の作品を見た校長は「デッサンを学んだって感じがする。上手いっちゃあ上手いですね」と苦笑した。この瞬間、僅かながらにあった自分の作品に対する自信やプライドが打ち砕かれた。

とにかく就職先が決まればいい。そう思いながら合格通知を受け入れた。

私は3年次編入を選んだ。そこで2年間学んだあとは就職しなければいけない。社会に出なければならない。プレッシャーを感じながらも自分なりに一生懸命勉学に励んだ。

各教員から気に入られていないのがひしひしと伝わっていた。自分は努力している「つもり」でもそれが評価されなければ怠惰な生徒に映る。教科ごとの評価は私が「怠け者」だと示していた。

自分はこんなに無能だったのか、と絶望した。勉強はできているつもりだった。でも世渡りがとてつもなく下手くそだった。「不器用」という言葉がこんなに似合う自分が情けなかった。

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