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映画・音楽・小説の心の足跡

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小説”Husband Material”の感想

「ボーイフレンド演じます」の続編である”Husband Material”のネタバレ感想です。この物語はネタバレを見ないほうが良いと思うので、読んでない方やネタバレを嫌う方は絶対に読まないほうが良いと思います。 自分の心の整理のために感想を書きます。 前作のようなニセのボーイフレンドになってそれがだんだん本当の愛になってすったもんだした後くっつくという大筋の柱となるようなストーリーは何もなかった。序盤で元彼のマイルズが出てきてそれが物語を動かす大きなトラブルになるかと思っ

    • 「ボーイフレンド演じます」の感想

      小説「ボーイフレンド演じます」の率直なネタバレ感想です。 ロックスターを両親に持つルークは自堕落な生活でパパラッチの格好の餌食に。そのゴシップ記事のせいで勤務先の慈善団体の寄附者の不興を買い、仕事を失いそうになってしまう。名誉挽回のために誰もが尊敬できるボーイフレンドを作ることを思い立ち、友人の友人である堅物法廷弁護士オリヴァーにそれを頼むのだが・・・。 フェイクのボーイフレンドからだんだん本物になっていく・・・めちゃくちゃ王道ですね!何がいいって、ルークもオリヴァーもめ

      • JR上野駅公園口の感想

        2020年全米図書賞の翻訳部門を受賞した柳美里著の『JR上野駅公園口』を読んだ言葉にできない感想をなんとか文字にして記そうと思う。ネタバレを含むのでご注意ください。 まず出だしから不穏である。 また、あの音が聞こえる。あの音ーーー。聞いている。でも、感じているのか、思っているのか、わからない。(中略)いつも、疲れていた。疲れていない時はなかった。人生に追われて生きていた時も、人生から逃れて生きてしまった時もーーー。はっきりと生きることなく、ただ生きていた気がする。でも、終

        • CMBYNからBLの古典?プラトンの「饗宴」を読んでみた

          ※「君の名前で僕を呼んで」と「FIND ME」のネタバレを含みます。 「饗宴」に興味を持ったのは、小説「君の名前で僕を呼んで」と「FIND ME」を読んで、これをもっと理解するには古代ギリシャの少年愛・・・プラトンの「饗宴」を読むべきなのかなと思ったのがきっかけだ。君の名前で僕を呼ぶことの本当の意味やそのイメージと理想がそこにはあるかもしれないと考えた。だってオリヴァーはギリシャ哲学が専門だし、饗宴には半身をもとめる話があった気がしたからだ。もちろんギリシャ哲学の知識は全然

          小説「FIND ME」の感想

          「君の名前で僕を呼んで」の続編「FIND ME」を読了しました。以下ネタバレ感想です。 まず、あんなに完璧に出来上がった小説の続編ってどうするのかな?って最初から疑問だった。続編にありがちな蛇足にならないかなという不安。的中しました!!もう第一部のエリオ父の恋愛話がつらい。内容がとかじゃなくて小説として面白くないという意味でつらい(爆)。いつエリオが出てくるの??エリオをfindさせてくれという思いで辛抱して読みすすめるけど長い。そもそもmetooの流れからヘテロオヤジの若

          小説「FIND ME」の感想

          「君の名前で僕を呼んで」と少し「残酷な神が支配する」

          「君の名前で僕を呼んで」を読んだ感想である。【ネタバレ注意】 エモい。 初っ端からエモすぎる・・・。読み進められないと思うほどしんどいエモさ。映画は英語だったけど2年前に機内で見て内容は知ってる。それなのにこの興奮。二人の行方が気になる感覚は何なんだ!主人公エリオの一人称で常に描かれる彼の感情があまりにも直接的だからか。 まず映画でティモシー・シャラメを見たとき、萩尾望都の「残酷な神が支配する」(以下残神)のジェルミそっくりではないか!!と思ったものだった。でも今回原作

          「君の名前で僕を呼んで」と少し「残酷な神が支配する」