【03-1】トランプか、トランプ以外か。《前編》
今回は象徴系の中でもルノルマンカードでもコーヒーカードでもない、『ジプシーウィッチフォーチュンテリングプレイングカード』(以後ジプシーウィッチと略す)から見た、あまり共通しない象徴について書いていこうと思う。
少数派は声がでかい。
とはバーバパパ(Youtuber)の動画「やや左側にかたよった教育番組」内の一節だが、自分の中で知った順でいくとジプシーウィッチはつい最近なので、レイアウトこそ古いルノルマンカードのデザインに近いものの、基準がトランプ寄りなので、36枚でシュッとコンパクトな印象から離れ、「占いに使ってもいいけど、基本ゲーム用な?」的念押しをされている気分になる画面なのである。
もちろんオールドタイプのルノルマンカードとは、象徴とトランプの組み合わせも違うし、象徴につけられている番号も違う。
作られた時代も新しいと思われる点もいくつかあり、かなり応用が利く作りにもなっている。意味の解釈もより現代に近いように思われるので、覚えてみるには良いデッキだと思っている。
代用の可否。
52枚あるので、ルノルマンカードやコーヒーカードが内包されているかどうかを調べてみた。
ルノルマンカードとして比較してみると「1.騎士 ⇒ 14.騎手」「20.庭園 ⇒ 26.公園」「36.クロス ⇒ 45.勲章」を入れると36枚の象徴が揃うので代用可能である。しかし、代用カードの意味は違うので、あくまでも代用として考えなければならないと思う。
コーヒーカードとして比較してみるならば、代用以前に「25.森」「29.草」「30.蝶」が無いのでできない。
ただ単に象徴系として似たようなカードというわけでもないのである。
独自の象徴。
ではジプシーウィッチの独特なカードについて書いていこう。
10.豚
幸運と豊かさの象徴であり、野心の成就を表すものの、そのための欲望の大きさも表しており、その源流に不安や不満が内包されているようである。
貪欲さで得た成功といったところだろうか。
24.握手
資料には「打ち解けること」を表し周囲に展開されたカードによって強調される意味も変化するようだ。対人的な繋がりによって得られる物事についてのカードだといえる。
類似カードとしては、ムーンナイトルノルマンのアディショナルカードには「69.手」というカードがあり、物の授受や接触、主導権を握るなどの意味もある。
26.公園
近くにあると出会いや交流を意味するが、遠くにあると上辺だけの関係を表す。ルノルマンカードにある庭園だと、根本に「誰かの敷地内」という隠れたルールがあるが、公園には公共性だけが残っているように感じられる。
36.猫
このデッキでの猫は太鼓持ち的な意味合いになっており、シビラオラクルカードの「14.太鼓持ち」に近いかと。
猫というカードはエレメンツルノルマンの「43.猫」やムーンナイトルノルマン「40.猫」があり、猫という動物の特性も踏まえた自由や態度の柔軟さが良くも悪くも表されている。
37.レイピア
フェンシングで使うような突剣で、人物カードとの距離感と周囲のカードとの意味合いで危機回避に貢献する警告のカードだと言える。
類似カードとしては、ムーンナイトルノルマンに「67.剣」というカードがあり、こちらは刃を持つ剣なので、他者との対立に関する意味合いが強い。
どちらにせよ警告・攻撃に関係するカードである。
長くなったので、残りは後編へつづく。