金髪に赤い口紅

今朝,通勤電車に乗ったら20代と思われる3人の女性が並んで座っていた。

その3人が,びっくりするくらい似ているのだ。ロングヘアの毛先をカールさせ,服は白と茶系でまとめ,マスクは黒かグレー。茶髪の根元から伸びている黒髪の長さまで同じだ。おばさんは若い子がみな同じに見えるというのを差し引いたとしても,似ている

この子たちは本当にこの装いを好んで選んでいるのかなあ。合わせているんではないのかな,などと余計なお世話なことを考えながら,自分が二十代だったころを思い出した。

二十代のころ,もっと人の目や「こうしなければならない」という先入観にとらわれていた。

気持ちのアップダウンが激しく,自分の気持ちに自分が振り回されていた。

人を誉めたり励ましたりできず、傷つけることばかり言っていた。

確かに今よりお肌はピンとしていただろうし,好奇心が旺盛だったと思う。

たまに「あの時,こうしていれば…」とも思う。

けれど本気で戻りたいとは,全く思わない。

今の方が,好きな髪形,好きな服を選んで,気分が乗らないことはできるだけやらないようにしている。嫌なことがあってもそれを解消する方法を知っているし,小さなことでも幸せに感じる。人のいいところを照れずに言える。

今の方がよほど気持ちが自由だ。

そうはいっても,まだ世間の常識や自分の固定観念にとらわれている部分がある。本心を封じてしまうこともある。

「年を取るほど自由になる」というけれど,80歳くらいになったらもっと自由になるのだろうか。

私の密かな夢は,金髪のベリーショートに赤い口紅で銀座の街を歩くこと。少し前の草笛光子さんのイメージ。それにはあと10年くらい必要かな。

80歳になったらどれだけ自由になるのか。そのときの世界を見たい。


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冴子
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