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「髪は命か 01」毎日ショートエッセー:古い羅針盤134章

流石に寄る年波には勝てず、頭皮が薄くなった。程よい田舎の床屋のマスターは薄くなったのではなく、髪の毛が細くなったのだと指摘した。なるほど。どちらにせよ、細くなり、以前在った場所からは髪の毛たちは退避を継続し、大きな額が丸出しのアホずらになっている。そんな我が身、否、髪をどうにも出来なくて、引っ越し前後のドタバタを良い機会に、我が手で何とかしようと、ハサミを購入して、早朝、悪戦苦闘している日々が続いている。思えば、貧しい学生時代もそんな生活を送っていた記憶がある。一方、飽食時代に生きてきた家人や息子は、早速、程よい都会の素敵な店を見つけて、いそいそと外観作りに励んでいる。高くない?と嫌みを言うぐらいで、まあ、身内が綺麗なのに越したことはない。放置状態であるが、なにやらサイトで上手で評判が良く、且つ、妥当な価格の店を選択しているようなので、まあ、一安心か。尤も、家人が私に薦めるのは、QBとか千円ぽっきりの店であり、この格差には文句を言いたい。さて、「髪をもたない女性たちの生活世界――その「生きづらさ」と「対処戦略」」:吉村さやか氏を読んでいる。

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