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「言葉と言う刃」毎日ショートエッセー:古い羅針盤133章

定年後のサラリーマンが即座に対峙するのが、家庭という社会である。何を今更!とお怒りになる方も多いかと思うが、今迄のように慣れ親しんでいた職場社会とは違い、知り合いは限られている。家人である。が、少なくとも、部下ではない。部下と思って接したら火傷する。反乱を起こされかねない。では、同僚?これも違う。多分、上司だ。もし、それを認めたくない御仁が居るとしたら、年下の先輩(実年齢差関係なく)と考えた方が良いだろう。何しろ、先方は家庭内の諸事、家事、洗濯、食事、育児全てのノウハウを知り尽くしているのだから、素人家人の定年亭主が敵う相手ではないのだ。それを今までの職場と同様に(多分、定年前はかなりの上位に居た、あるいは重宝されていたはず)、上から目線で対応すると、本当の意味でバトルが始まるから要注意である。で、ペンは剣より強しという言葉を思い出す。反戦対する言論の正しさを訴える名格言ではある。そして、更に私は反戦には女性の参画が必要という指摘も回想する。女性が平和的な生き物であるからだと。ここまで来ると、懸命な読者は私が言わんとする事を察するかもしれない。一般的に、女性は産まれてからの不平等さ(肉体的脆弱さ、男社会での地位の低さ)に対して、言葉で闘ってきた。逆に言えば、言葉でしか戦えない。だから、言葉が通じない育児は疲れるのだ。又、脱線したが、要は言葉を屈指して実際の戦いを回避する事は、女性以上に巧みな者は居ないとも言えないだろうか。それほど、言葉とは大切なもので、時に武器となり、相手を傷つけたり、死に至らしめたりもする怖いものだ。「聞いてはいけない―スルーしていい職場言葉」:山本直人氏を読んでいる。

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