Sex Education シーズン3までの感想

英題:Sex Education
邦題:セックス・エデュケーション
ジャンル:イギリスのコメディドラマ
媒体:Netflix
シーズン:1〜3まで。全24話。

私はシーズン3が一番好きだった。その後の作品がシーズン1を超えてくるドラマって、めずらしい気がする。

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あらすじ

セックスセラピストの母を持つ、童貞で内気な主人公オーティスの成長物語。スクールカーストトップのやさぐれた美女メイヴとオーティスはタッグを組み、学校で性の悩みの相談をうける副業をはじめ、さまざまな登場人物の悩みを次々と解決していく。

作者は何を伝えたいのか

性的な問題ってタブーで共有しづらいけど、誰もが抱えている問題だから、もっとオープンな話題になって、みんないきやすくなって欲しいというメッセージだと思った。性に関して正しい知識を得て、恥ずかしがらずにコミュニケーションを取るのが大切だよね。

ネガティブに考えていた性の悩みが、ポジティブに感じられるようになる瞬間がたくさん散りばめられていて、誰もが登場人物のひとりに共感できてスカッとするのが、このドラマの魅力だと思った。
スキンシップの文化がない日本では、性に関することのイメージはなおさらにネガティブ。

日本人が見たら、衝撃が大きいかもしれないけれど、見た人の価値観を変えてしまうようなエピソードが詰め込まれていて、私は気にいった。
実は今の私にとっても性の悩みは大きな課題である。

私はこう受け取った

①他人の話は参考になる
近頃、私の親も年をとってきた。排泄の回数が多くて困るという話を父母がしていて、「みんなどうしてるんだろ?」と困り果てて首を傾げていた。

そういった問題も、もっと身近な同年代の仲間と話し合えば解決できることもあるのでは?と思った。

②性行為へのネガティブなイメージ
私の今の性の悩みは、「レス気味」であるということ。
性行為に対してネガティブなイメージがあり、彼氏に迫られても、断ってしまうことが頻繁にある。

彼氏は健康な青年男児なので困らせてしまっている。もう3年近く付き合っていて、もちろん心は許しているものの、なぜか性に関してのネガティブな印象は克服できず、真剣に悩むようになってきた。

学校の保健の授業で、一般的な性に関する知識は教わった。
「性行為は妊娠の恐れがある。避妊せよ。」と。
でも今思えば、なんだかいけないことのように教えられた気がする。

本来「愛の交わり」であるべきはずのものが、「不純異性交遊」「恥ずべきもの」「こわいもの」のようなネガティブなイメージを与えられてしまった。これは、ドラマ内のホープという登場人物のエピソードも例にあげられる。

何がそういうイメージをすりこんでしまったのだろうか。ずっと女子校だったから?リスクしか教わらず、肯定的な側面は伝えられなかったから?

原因の一つに、親への罪悪感もある気がする。最初に親に経験がバレた時、すごい形相で叱られ、妊娠していないかを疑われ、携帯は没収、外出禁止になった。性行為は恐ろしくていけないこと、というトラウマが植え付けられてしまったのかもしれない。

いわゆるオーガズムというものを、楽しめた経験があるのかもよくわからない。どうしたら「性行為は良いもの」と思えるようになるのだろう。結婚をして妊娠しても良い状況になったら、罪悪感から抜け出せるのだろうか。オーティスの母ジーンに、ぜひセラピーをお願いしたいものだ。

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③セクシャルウェルネス
ジーンのような人が日本にいないかなと考えていた時、ふと、fermata株式会社の創設者の中村寛子さんがよぎった。

女性たちは体の悩みに気づいているものの、フェムテック製品に触れたり、悩みについて発散したりする機会も場所もなかったことが見えた。
(VOGUE JAPAN タブーを破れ! フェムテックの伝道者、fermata共同創設者のAmina、中村寛子。【女性リーダーたちの挑戦】より引用)

中村さんは、性の健康を「セクシャルウェルネス」という言葉で表現していて、ドラマのメッセージと同じように、性に関する事柄をタブー視しないように心がけていると語っている。

まさにこのセクシャルウェルネスのタブー視、日本でももっと議論・改善されても良いのにと思う。性別問わず、皆性に関して悩んでると思うんだよな、地味に。女性だと、生理、避妊、妊娠、カンジダ、更年期とか、年齢的な変化もあるもんね。もっと気軽に相談できる環境があると良いよね。

My Favorite Scene 1

シーズン1 エピソード5 ”It's my vagina.”

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オーティスのクラスメイトであるルビーの、膣の写真が流出してしまう事件が発生。セックス・クリニックを営むオーティスに相談され、一緒に犯人探しをする。

全校集会で、校長が当事件について議題にあげると、ルビーは生徒から馬鹿にされてしまう。すると、ルビーをかばうように次々と学生たちが「It's my vagina.(写真は私の膣です)」と声をあげる。男子も声をあげ、「君に膣はない!」と校長にツッコまれる瞬間が、本当に笑えるし、もう最高。

該当シーンを、ちらっとご覧になりたい方はこちら

My Favorite Scene 2

シーズン2 エピソード7 ”Non-consensual penises.”

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学校で性的な問題の相談を聴いているジーンの診断ノートが盗まれてしまう。そのノートに書かれていた文学の先生の悩みを侮辱するメッセージが学校の壁に書かれていた。事件の犯人探しのために先生が疑わしい女学生6人をあつめ、犯人が名乗りでるまでのあいだの居残り学習の課題をあたえる。「女性の団結をテーマに、女性としての共通点をかんがえろ」。バスの中で性被害にあいトラウマにくるしむエイミーが、悩みをうちあける。

すると、ほかの女学生にも性被害にあった経験があることをうちあけ、共通点が判明する。いがみあっていた女学生たちが、性被害体験の告白で一瞬でひとつにまとまり仲良くなるのが、この話のスカッとポイント。

「統計では21歳未満の3人に2人の女の子が、公共の場で性的被害にあっている。」

というセリフがあった。日本はどのくらいの統計なんだろうか。

ワンストップ支援センターへの性被害相談に関するデータから推定すると、「日本の未成年女子の0.15%が、性被害にあったことを相談をしている」という結論にいたった。
(参考:女性に対する暴力の現状と課題(R3年11月)

え。相談件数、少な過ぎん???

もっと被害受けてる人いるでしょ。

言い出しづらい・頼れるところがない・恥ずかしくて言えない
とひとりで悩む人が多くいるのではないかと危惧した。

日本では性的な問題を話すことが、タブーになっている。
それによって、泣き寝入りになる性犯罪や、性被害を受けても一人で悩みを抱える人が多くなってしまっているのではないか。これってSDGsと同じくらい、改善されるべき問題だと思う。支援センターなどの相談機関の活動も応援したい。

今読んでいるあなたや、あなたの周りに、もし性犯罪や性被害にあって困っている方がいたら、勇気を出して誰かに相談しよう。
ちなみに私は、大学時代に性被害に遭い、大学の心理カウンセラーに相談していたことがある。

相談機関の情報を男女共同参画局のホームページより、抜粋しておこうかな。ひとりでも多くの方が、救われますように。

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おまけ
シーズン3 エピソード3。オーティスの親友エリックが、Todrick HallのNails, Hair, Hips, Heels.という曲で、可憐にVougingというジャンルのポージングのようなダンスをかましているシーン。最高。一緒に踊りたくなる、リピート必須のシーンでした。

推しキャラ エイミー

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エイミーは健気でまっすぐで良い子なんだけど、ちょっと不器用。
いつもケーキを作るんだけど、全然うまくできなくて、美味しくない。
それでも懲りずに作り続けて、ちゃんと美味しく作れるようになるの。

周りにツンデレが多い中、エイミーは感情に素直で、マイペースに動く子なんだけど、表情がすっとんきょん。いちいちリアクションが可愛くて、でもエイミーの優しさに泣かされることもあるくらい、本当に良い味を出してる。

あなたの推しは誰ですか?ぜひコメントで教えてね。
推しを探しながら、観てみても面白いと思う。

ちなみにこのAimee役の、Aimee Lou Woodさん。
劇中でも見ている外陰部の一覧サイトをインスタで紹介しています。
外陰部の形について、気になる方はこちらから見てみて。

海外と日本の文化の違い

恋愛モノなので、まあ、色んな人がくっついたり離れたりしているわけなんだけれども。

日本の恋愛ドラマの中で、好きな人がほかの人と性的関係になったと聞いて、「いやそれでも好きだ!!いいよ!付き合おう!」って過去の関係が水にながれる話って、あんまりないと思いませんか?
浮気とみなして幻滅して、冷めませんか?そこに違和感を感じるのは私だけ?

日本だとやっぱり、性行為=汚れみたいな印象ってあるよね。
海外の人はそういう点、平気で水に流せるのかしら?
という価値観の違いも感じられて面白かった。
是非ご視聴ください!コメントで感想も教えてね〜👋



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