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一流打者たちのテクニックとフィジカルに近づくには? 書籍の仕事まとめ#18  立花龍司さん『プロ野球打者の共通フォーム&習得法』

プロの一流打者は、なぜ打てるのか?

その秘密は、共通するフォームと体の使い方にありました。

本書では、その秘密を解き明かし、誰でも実践できる練習法を紹介しています。

打撃の三本柱とは?


よいバッティングとは、何か?

そう問われたら、あなたは何と答えますか?

NPB初のコンディショニングコーチである立花龍司さんは、

「スイングスピード、スイングの正確さ、タイミング。この三本柱がある」

と仰います。

本書は、プロの一流打者たちがどうやってこの三本柱を揃えているかを解き明かし、そのフォームを習得する練習方法を伝授するために書かれました。


打撃フォームには共通点はあるのか?


立花さんは2013年に『プロ野球投手の共通フォーム&習得法』を出版されました。

この本が、大好評!

「打者編はいつ出るの?」という声が寄せられました。

その期待に応える形で、本書が企画されたのです。

僕は、投手編にもライターとして参加しています。

「打者編を出す」と聞き、「また立花さんといっしょに仕事ができる」と、ワクワクして取材に臨みました。

立花さんはコンディショニングコーチとして多数の投手をサポートしてこられました。

「打者編」ということで、立花さんはご自身が通っておられた筑波大の野球コーチング論研究室に相談。同研究室の金堀哲也博士の強力なサポートを得て、本書が実現しました。

立花さんと金堀さんは、膨大な数の打者の映像から、ホームランや打撃の基本であるセンター返しの打球を打ったときのものをピックアップ。

打撃動作を以下の10段階に分け、分析しました。

①構え
②踏み出す足の上げ始め
③踏み出す足が一番高く上がったところ
④踏み出した足のつま先が着したところ
⑤踏み出した足のかかとが着地したところ
⑥トップハンドのヒジが胴体についたところ
⑦インパクト
⑧フォロースルー
⑨スイングの終わり
⑩走り始め

すると、やはり共通点があったのです!

筑波大の野球コーチング論研究室の実験データと突き合わせ、どの段階のどの共通点が打撃の三本柱に関与するのか、それはなぜかーー立花さんと金堀さんは、そこまで解き明かすことに成功されました。

立花さんは、その共通点を体得するために必要となる筋力を養うトレーニング、柔軟性を高めるストレッチ、動きを覚えるドリルやエクササイズをピックアップして、詳しく解説してくださっています。


タイミングの正体とは?


打撃の三本柱のうち、一番難しいのは「タイミング」ではないでしょうか?

どんなにいいスイングで、思ったところに正確にバットを出しても、

タイミングが合っていなければ、鋭い打球を打つことはできませんよね?

では、「タイミングを合わせる」とは、どういうことか?
何と何を合わせればいいのか?

筑波大の野球コーチング論研究室が解析した結果、投手と打者とで合っているタイミングがあったんです!

具体的には、打撃動作の③「踏み出す足が一番高く上がったところ」が、投球動作のある瞬間と合っていれば、いい打球を打てる。

その答えは、本書でご確認ください!

僕は、取材を通してこれを知ったとき、それまで感覚でしかなかったタイミングの正体が、はっきりわかりました。

それまでは、投球のスピードと打者のスイングを比べて、なんとなく「合っている」「振り遅れた」みたいなことでしか、判断できていませんでした。

それ以来、試合の取材で投手対打者の対決に注目するときは、投手の○○が~したときと、打者の踏み出す足が一番高く上がったところが合っているかどうかで、「あ、タイミングが合った」「遅れた」とわかるようになりました。

あなたもぜひ、本書でこの答えを知り、試してみてください。きっと「なるほど、そうだったのか!」と思うでしょう。

本書では、一流打者たちの打撃フォームの共通点と、フォーム習得のための具体的なドリルやトレーニング方法が写真つきでわかりやすく紹介されています。

あなたは、これからも素振りとティー打撃、フリー打撃で感覚的に打撃向上を目指しますか?

それとも、本書を使って、理論的に打撃を向上させますか?

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