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プロの投球フォームを徹底解剖! 一流投手への道を開く一冊 書籍の仕事まとめ#25 立花龍司さん著『プロ野球投手の共通フォーム&習得法』

プロの一流の投手には、フォームや体の使い方に共通点があります。

本書では、その共通点を解明して、習得するための練習方法を紹介しています。


結果には必ず原因がある


「プロで一流と言われているからには、必ず理由がある」

NPB初のコンディショニングコーチで、MLBでもコーチを務めた立花龍司さんは言います。

立花さんがそう気づいたのは、プロの投手の連続写真を眺めていたときだそうです。

立花さんは、『週刊ベースボール』の「連続写真に見るプロのテクニック」というコーナーに掲載されているプロの投手、打者の連続写真をファイリングされています。

それを眺めていて、「プロの投手には共通点があるのでは?」と感じた、と。

そこで、連続写真をハサミで切ってバラバラに分けて、投球動作の段階ごとにまとめ直した。

「踏み出す足を上げたとき」
「(踏み出した足が)着地した瞬間」
「トップ(ボールを投げる回転運動の始まり)」
「ボールをリリースした瞬間」……などに分けてノートに張り付けて見直すと、やはり共通点が明確になったそうです。

そこから立花さんが研究と実践を重ねて、本書が生まれました。

本書では、投球の各段階ごとに、「体のどの部分を、どのように使っているか」をわかりやすく解説しています。

たとえばトップでの共通点は、
1.投球側のヒジがほぼ直角
2.手のひらが三塁方向(右投手)
3.打者に胸を見せていない
です。

もちろん、本のなかではもっと詳しく解説されています。

僕は以前、好投手かどうかは、球速や防御率といった数字のほか、打者を抑えたときの感覚的なもの(「打者が振り遅れることが多いな」とか「ボールの下を振る空振りが多いな」など)で判断していました。

立花さんのお話を聞いてからは、フォームのなかで、いつ、どの部分に注目すればいいかがわかるようになりました。

「あ、トップのときに打者に胸を見せていないから、打ちにくいんだな」
「トップのときにもう打者に胸を見せているから、打ちやすいんだな」
というように。

プロの真似をするのは大事だけど……

これまでにも連続写真でフォームを解説した本はありましたが、選手ごとに分けてあるものばかり。

この本では、フォームの段階を「踏み出す足を一番高く上げたところ」から「フィニッシュ(ボールを投げ切ったところ)」まで11段階に分け、それぞれの段階ごとに立花さんが詳しく解説してくださっています。

また、投球フォームの解説だけではなく、そのフォームを身につけるための練習方法や、そのフォームで投げるための体をつくるストレッチ、トレーニングまで紹介されています。

立花さんはプロから少年野球まで、野球の現場で選手をサポートされています。理論だけではなく、実践の人だからこそ書けた一冊です。

最近は、プロの選手のフォームが動画で見られるようになりました。

選手自身がSNSで自分の技術を公開するケースも多いですよね。

それらを見て、学ぶのはとてもいいことだと思います。

ただし、注意すべき点があります。

立花さんはこう仰っています。

「プロの投手は、そのフォームで投げられるように日々ストレッチやトレーニングをして体をつくっています。

小中学生や高校生、大学生は体ができていないから、その技術が身につかないということもあります。

フォームを真似しつつ、体をつくることも忘れないでください」

本書『プロ野球投手の共通フォーム&習得法』は、
〇 一流投手の投球フォームを学びたい選手
〇選手のフォーム改善をサポートしたい指導者
におすすめの一冊です。

本書を参考にフォームの習得と体づくりをして、一流投手への道を歩み始めましょう!

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