ケガを防いでパフォーマンスUP! 高校球児のための野球医学 書籍の仕事まとめ#21 馬見塚尚孝さん著『高校球児なら知っておきたい野球医学』
スポーツにケガはつきものだけど……
あなたは野球をしていて、ケガをしたことはありませんか?
肩や肘の痛みで、ボールが投げられない。
腰の痛みで、バットが振れない。
そのためにレギュラーになれなかった。ポジション変更を余儀なくされた。野球を止めざるを得なくなったーーという経験をしている人は、多いのではないでしょうか?
ちなみに僕は捕手でしたが、高校3年の春に肩を痛めて、レギュラーから外れました。
ベンチから下級生のプレーを見ていて、すごく悔しかったのを覚えています。
野球に限らず、「スポーツにケガはつきもの」と言われます。
ケガをしてしまうと、練習を休まなければなりません。
その期間は、成長の妨げになります。
もし完治しないまま無理して練習すると、選手生命にかかわります。
ケガの予防は、パフォーマンス向上とセットで考えるべきです。
障害を予防するには?
野球における障害はなぜ起きてしまうのか?
馬見塚尚孝先生は、「障害は力学的ストレスを繰り返すことで発症するのを知っておいてほしい」と言います。
力学的ストレスとは、「力×回数」です。
投球で言えば、投球強度(力の大きさ)、投球フォーム(力の向き)
と投球数(投げる回数)です。
ザックリ言ってしまうと、正しいフォームで、弱く投げれば、回数を増やしても故障しにくい。
逆に、正しくないフォームで、強く投げれば、少ない回数でも故障してしまうということです。
なぜフォームがかかわってくるのか?
たとえば、肘が下がった状態で投げると、肩甲骨と上腕骨が衝突しやすく、痛みが出やすい。
また、「腕を振れ!」と言われて腕の力だけに頼って投げてしまうと、肩関節に負担がかかり、障害のリスクになります。
つまり、正しいフォームの習得は、球速や制球といったパフォーマンスを向上させるだけではなく、投球障害の予防にもつながるのです。
僕が肩を痛めた理由は、無理なフォームで回数を重ねた結果でした。
盗塁を刺すために、まだ寒い時期なのに自主練習で二塁への送球練習をしていました。
「捕ってから早く投げよう」とし過ぎたのかもしれません。肘が下がったまま、毎日毎日、何球も何球も繰り返してしまった。
知識があれば、防げた障害かもしれませんね。
本書には、野球コーチングの専門家である金堀哲也氏の協力のもと、馬見塚先生が「障害の予防」と「パフォーマンスの向上」を両立させるフォームと、その習得法も詳しく書かれています。
僕は馬見塚先生や金堀さんの取材を通して、「指導者にはもちろん、選手本人にも正しい知識が必要なんだ」と痛感しました。
そのほかにも、以下のような内容が書かれています。
腰、肩、肘の障害にはどんなものがあり、どうすれば防げるのか。
各部位をセルフチェックするには?
どういう治療法があり、ケガから復帰するまでにどんなトレーニングやストレッチをすればいいのか。
高校球児だけでなく、指導者や保護者が知っておきたい情報ばかり。
ぜひ本書で学んで、野球障害の予防とパフォーマンスの向上を両立させてください!
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