野球でケガや事故が起きたら、どうすればいい? 書籍の仕事まとめ#8 笠原政志さん著『絶対に知っておきたい野球現場のファーストエイド』
大切な人が倒れたら?
「大切な人が倒れたとき、あなたは自信を持って救うことはできますか?」
著者である国際武道大の笠原政志教授が、大学時代に恩師の山本利春教授から問われた言葉だそうです。
これをきっかけに、笠原教授はファーストエイド(救急対応)の需要さを考えるようになったといいます。
「スポーツ選手のサポートにかかわる以上、選手の生命と選手生命を守るのが大前提」
そんな笠原教授の思いが、この本に込められています。
この本は、『ベースボール・クリニック』誌で2019年から2020年にかけて、笠原教授が連載した原稿に、加筆・修正したものです。
僕は、編集協力という形で、この本に携わりました。
原稿をすべて読み込み、内容を理解したうえで「読者のみなさんが、より読みやすくなるように」と考え抜いて、本をつくりました。
選手の命、そして選手生命を守るには?
野球選手のケガというと、どんなものが頭に浮かびますか?
多くの人が、肩やヒジの故障を思い浮かべるでしょう。
しかし、練習や試合では、選手の命にかかわる事故や、捻挫・打撲などのケガが起こる可能性があります。
2005年から2020年までの16年間をみると、中学・高校で野球をしている間に死亡した事故が、41例もあります。
「大切な人が倒れたとき、あなたは自信を持って救うことはできますか?」
山本教授の言葉は、けっしてひとごとじゃありませんよね?
・打球が胸に当たった
・打球や投球が頭に当たった
・バットが捕手の頭に当たった
・選手同士がぶつかった
・選手がフェンスにぶつかった
などには、命の危険があります。
近年では、熱中症もそのひとつでしょう。
命の危険はなくても、
・ヘッドスライディングで肩を脱臼した
・スライディングでヒザを痛めた
・ウエイトトレーニングで腰を痛めた
・ベースランニングで足を捻った
というアクシデントは、選手生命にかかわるケガになる可能性があります。
そんなとき、適切なファーストエイドをするには?
やはり知識が必要です。そして、「知っている」から「できる」へしておくことが求められます。
野球現場の安心・安全に寄与する
スポーツ指導者や大会運営者は選手をケガ、故障、事故から守る責任を負っています。
それを怠ると、訴訟を受けるリスクも抱えています。
笠原教授は言います。
「ファーストエイドで野球現場の安心・安全に寄与することは、野球に関わる方々を守ることになる」
事故は、突然起きるもの。そのときにパニックにならず、また、やみくもに手当てをするのではなく、落ち着いて適切な処置をするには、どうすればいいかーー。
この本で以下のことが学べます。
・具体的なケガへの対処法
・緊急時の連絡体制について
・備えておきたい物品
・緊急時対応計画の作り方
大切な選手を守るために、ファーストエイドの知識を身につけましょう!
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