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ケンタウロスは翼が生えるのか
兄弟は兄と弟の2人しかいないから、仲良く、困った時は助け合いなさい。
そう、祖母に言い聞かせられ幼少期私は育った。
兄は気分屋だから、兄のしない事は私がやろう。
両親共働きだから、休日のお昼ご飯は拙いが私が作ろう。
祖母の相手や両親の相手、兄が苦手ならば私がしよう。
私は家族が大好きで、ファミコン、ブラコンを自称していた。
そうであるべきと思っていたし、強要していた。
なんとも押し付けがまし
ほたるちゃんのディナーショー
毎年、梅雨の終わりを知る頃に、この街の端にある森の入り口でショーが開催される。
薄ら汗ばんだ夜の間、一週間だけ幕が開くのだ。
夕暮れから青ばみ、辺りが薄暗くなって来た頃、人は各々の椅子を持ってやってくる。
森の入り口の近くにある泉のほとりを見守るように椅子を並べて座り、周りと談笑しつつ時を待つ。
観客のドレスコードはひとつだけ。会場に着いたら灯りをつけないこと。
あとは食べ物を持ち込んでも、
あけぼの荘 2-た号室
僕の兄はケンタウロスである。
いつからとか、は、覚えてない。
気がついたらそうだったのだ。
家のタンスの一番上の引き出しに手が届き、目線が届いた時にはすでにそうだった。
兄は一人暮らしをしている。
この街の大きな通りの端っこにある、あけぼの荘という木造のアパートでだ。
蔦の生い茂る、森に飲み込まれそうなこの古めかしい建物はいつ来ても、少し、身構えてしまう。
鳴いてないカラスが鳴いてそうな気さ